千路の都
「そういえば、遊子ってヒイラギにしか出ませんよね」
「他の路を塞いで、すべてここに繋げているからな」
「え?」
「おや、まだそこまではたどり着いてないのかな。故にヒイラギは
「千、ですか」
「まあ実際は他のところにあったものを無理やりつなげているわけだから、いいことばかりとは言わないが。ここら辺に関しては教科書に書いてあるから後で読みなさい」
「はい!」
元気よく返事をするスクナ。内心誰でも知っていることのはずだがなぜ知らないのかと首を傾げたチナミだったが、次第に納得に変わる。
こういうものは普通家庭で教わるものだ。学校でも少し……さわりの部分だけなら習うだろうが、あの遊子が。元異世界の住人がこっちの世界に詳しいとも思えない。
教わらなかったのだろう、その孤独な身の上故に。
「だから、魔法師たちの中心地とも呼ばれる。遊子がいないところに、魔法師がいても仕方ないからな」
「なるほど」
ぴっと人差し指を立てて説明するチナミに頷くスクナ。作業をする手はすっかり止まってしまっていた。
それに気づいてあわててチナミが揃えてくれた本を戻しに、スクナは階段へと向かっていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます