心ぬくもるアポカリプス将棋ストーリー

 この作品はハードSFなので最初はちょいと文章が重たい! しかし読後感は軽やかで、きっと外に飛び出て将棋を指したくなる。 そんな作品だ!

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 んじゃ改めて今日は『龍不成』のレビュー行くぜ!

 “SF世界で妖狐とメイドロボが”“将棋を指す”
 小説情報にもあるようにここがこの作品の顔に当たる部分で、物語の大まかな流れでもある。
 さてこの二つの要素、君はどう思う?
 単なる奇をてらったウケ狙いと思ったなら、そいつは大きな間違いと言っておきたい。

 俺ぁぶっちゃけハードSFとか苦手だし、将棋も精神コマンド使えないからやんねぇんだけど、この作品からはどっちも引き算しちゃいけねぇ。
 重たいくらいのSF的修飾から繋がれる疾走感溢れる将棋バトル、実に見事なコントラストだ。 将棋のルール分かんねぇけど楽しかった。
 それにこの物語が産む感動は、破滅を迎えた世界で繰り広げられる将棋という題材でなければありえねぇ。
 あまり踏み入ったとこまで明かすのは避けるが、“SF”で“将棋”だからこそ心があったかくなるんだって俺は発見した。 何ひとつとして無駄は部分はないぞ。

 “老人も子どももメイドロボも妖怪も等しく戦えるのが将棋のいいところじゃ”
 俺が一番胸を打たれた、本文終盤からの引用だ。 まだ試してない君にはこの一文を拝むまで読み進めることをおすすめするぜ!

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龍不成