第47話 尋問みたいですねえ、そのようですね~

 梶本さんは僕のスマホを高級そうなバッグの中にしまいこんだ後、


「これは悪いけど預からせてもらうからね!」


 と目力強く毅然とした表情で僕に言った。


 普通相手に強く主張する時、人は誰しも自分の言っている事が100%合っているか、多少なりとも心の中で葛藤が起こる、葛藤が強ければ強い程、目の瞳孔の収縮が早くなったり、まぶたが細かく震えたりする。


 でも、今の梶本さんの目の瞳孔は微動だにしない、まぶたも全く静止している…うはあ、この決意の硬さは硬度10、ガ○○リウム合金よりも硬いよね。


 これじゃ説得は無理ゲーだと思いつつも、どこかの下っ端兵士その1の気持ちで、オドオドしながら抵抗を試みる。

「ええ~そんなぁ~どうしてそんな事するの?それに梶本さん、これは白石さんを探し出す生徒会2次活動の一環なのにそんな!」




「どーしてかなぁぁー?」


 低く鋭い声で梶本さんが言った。


「え?なにが」


「さっきさぁーシャーロッテの事、はなさんって呼んでたよね?」


「シャーロッテ?え?どういう事?梶本さん」


「知らないんだ......」


"まっそこまでの仲ならまだ巻き返しの余地はありって事だよね、はなあ、勝負だよ!"


「シャーロッテは、はなちゃんのミドルネームだよ!それから今日から、私の事も玲奈って呼んでほしいな!」


「えっ?いや、そんな、いきなり呼び捨てなんて」



「それともぉ......昨夜二人の間に何かあったとかぁ?下の名前に呼び方変わってるってことは、それだけ近しぃ関係になったとかぁ」



 鋭い!!女性の勘って怖い!っていうか、僕は梶本さんのなんなの?なんで僕はこんなに静かに責められているのか訳分からないよ。




「いや、何もないよ」


「じゃあ!私も呼んでよ、下の名前でね!」


「分かったよ、それじゃ、玲奈......さん」


なんか、口にバリアがかかったみたいに言いにくいなあ~

「玲奈でいいの!」

「分かったよ、玲奈さ」



 ギロッ!


「ひぃっ!」

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