第38話 番外編 強欲守銭奴美少女登場

ある日学校から戻りドアを開けた時、目に飛び込んだ光景に僕は立ちすくんでしまった。


「無造作に玄関に置かれた、この高そうなプラダのショルダーバッグと、ティファニーのボストンバッグが置いてあるってことは......」

母さんはブランドもんとか興味ない人だから、考えられる可能性はひとつ。


従妹のちひろが来てる.......

ヤヴァイ!!! すぐに逃げないと! お小遣いが全部無くなって破産する!そう思い踵を返したが、すでに時遅し。



「あー!こうちゃんだぁ」

グェェェェ~~~あああもうお終いDEATH!!


いや!まだまだ!

ここであきらめたら、何とかが終了ですよって、テンプレでもあるじゃないですか!こっここは出来るだけ事を荒立てず、適当にやり過ごして関口邸に避難!リッチな夕食!

あいつオムレツめっちゃウマだからな~


「よっよぉ」

「こ-うちゃん!久しぶりぃ!会いたかったよ-!」


そういうや否や、ちひろはほぼジャンプ状態で僕に突進みたいに抱きついてきた。


「うわっ!ちょっちょっと待てよ! 抱きつくなよ!もう子供じゃないんだぞ!離せよ!」



えっ?あれ?なっなんか2年前には無かった、すっごく柔らかくて大きな感触が当たってる!当たってる!

こここここれは!!まさかまさかまさかまさか、こんなはずは、馬鹿な!馬鹿な!馬鹿な!



「ふふふ、どうどうどう? 2年前とは違うでしょう!ひょっとしてキンチョーしちゃってる?どうどう!少しは見直してくれたかな?」


 本当なら、とっくに気絶するところだけど。


 ちひろだけは、子供の頃から一緒に遊んだり、風呂とかにも入ってるので、"女性"という括りに見れない.....


 それに......顔は恐らく相当可愛い部類だとは思うが、性格がどうしようもなく金銭面で強欲。

 例えば今まで付き合った彼氏に基本的に奢ってもらってばかり。ついたあだ名は、おごらせ上手、略してオゴジョウちひろ。個人的には守銭奴ちひろと呼んでいる。なんでも叔母さん曰く、去年の中2の時点で貯金が200万あるとかないとか。



 まっまあそういう事もあったり、2年前に会った時は、チビで体つきもガリガリだったんで、緊張なんて全然しなかったんだけど......しっかし成長したな-性格以外。



「ささ、そんなところで突っ立てないで、入った入った!」


おいおい、ここは俺んちだよ!


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