第14話 にじかつオファーされる
「驚いた? でもオーバードースにはまっている人は実際多いんだ」
「でもなんで生徒会の仕事でそんな事しなきゃならないんですか!訳分かんないよ!」
「その通り訳分からないよね、まあそこが2次活動と言われる理由でもあるんだけどね。だから表向きの仕事とはちょっと違うとも言える。俺も時々訳が分からなくなる時がある、その点は同意だな」
「そんな事を聞いているんじゃないんです、なぜ2次活動だか業務だとか訳わかんない事やんなきゃなんないんですか?」
「この学校が地元の政財界の子息が多く在籍していることは知っているかな?」
「少しは知ってます、その寄付で学校の運営がずいぶん助かっているってどこかで聞いたような」
「もっと正確に言うと、有力企業や政財界のちょっと問題のある子息を押し込めておく高校なんだよ。その見返りとして多くの寄付金を学校が受け取っている」
「じゃあ、清水君や田中さんもお金持ちの家の人なんですか?」
僕はちょっとひねくれて嫌味を言ってみた。
「いや俺のところと、田中のところは普通の家庭だよ。あとこう言ったら怒るかな?君のところも普通の家庭だよね?」
ウチが普通か、そう考えた時僕の表情が少し硬直したのを感じたのか清水はさっきの続きを説明しだした。
「2次活動っていうのは金持ちの問題児、おぼっちゃんお嬢様のやらかした後始末、事ができるだけ大きくならないように穏便にすませる生徒会の別の仕事なんだよ」
「内申だけでそこまでするんですか?」
「内申だけじゃないよ、もちろんそれなりの成績は残さないといけないけど特別奨学金だって出る、それも大学4年分のね」
ええ!?特別奨学金! 4年分! 僕は驚きの余り声がでない。
「驚いた? そうだろうね、俺も最初聞いた時はびっくりしたよそんな簡単なことでって。でも実際結構きつい時もあるかも。松君失礼だとは思ったけど佐藤センセから君の事は少し聞いている、家庭の事や君が大学へ進学希望してるって事もね」
「はあ、そうですか......」
「どう? 正直今2次活動やってるのは生徒会でもセレブな家庭じゃない俺と田中だけなんだ、君が入ってくれるとローテーション制みたいの組めて助かるんだけどな」
そう清水が言うと、いつのまにか田中が背後に来ていて、
「そう! そうれいいアイデアじゃんサンセー! こうき君よろしく~」
と透き通るような目で微笑んできた。
彼女いない歴イコール年齢の僕には眩しすぎる笑顔なので、少しあかるさを調節して欲しいです。
「もちろん、2次活動の事は誰にも相談してはいけない。表向きは生徒会の活動に真摯に取り組んだ評価として特別奨学金が出ることになっている。もちろん奨学金は返済不要」
僕は心が少しだけ揺れているのを必死に悟られないように隠しながら、
「はあ......ちょっと考えさせてください」
と蚊の鳴くような小さな声を搾り出すように答えた。でも恐らくこの清水君には僕が心の奥底で動揺している事を感じ取ったに違いない。清水君は僕が奨学金返済不要の説明を聞いている時片方だけまぶたをしきりに瞬きしていた。
恐らく彼独特のクセなのだろうーーー人の考えを鋭く読む時の。
「いいよ。でも1次活動は佐藤先生の命令だから、2次を断っても結局は生徒会にはこなくちゃならないけどね~内申は君も怖いだろう?」
ウワァ何これ? この人爽やかによくこんな腹黒い事言えるね。腹立つなあ!
「っていうことはなし崩しに2次活動に参加も有り得るって事ですね、今日みたいに」
「まあそういう事だね。さあもうそろそろ保健室で伸びてるお坊ちゃんがまともに戻ってる頃だろうから、お迎えのママの車も到着した様だし、俺は彼を送り出してくるよ。松くんは今日はもういいよ帰ってお疲れ様、初日から大変だったね!また頼むよ」
そう言うと、清水は生徒会室から出ていった。
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