第6話 骨格標本2

「先生が、僕に声をかけた理由は何ですか?」

「それは、才能を感じたからよ。あと……運命を感じたからよ。前に言ったでしょ」

「そうですか」僕は、本当にそれだけの理由なのかと思ったがその時は、深く探り入れなかった。

 僕の骨格標本に足りない事に、気づいた次の日、先生へ鳥の骨格標本を依頼してきた男性がきた。

 その男性が、帰った後先生は僕に「これは、あなたが作りなさい」と言ってきた。僕は、返答に迷ったが作る事を決心した。

「じゃあ私は、口出ししないから好きに作りなさい」

「はい……」心配ではあったが、迷いは振り切れたので何とかなると思って作り始めた。

 早速作業に取り掛かった。

(よしやるぞ)

  一つひとつ昨日の先生の作品を、見て感じた事を思い出しながら作っていった。

  作品を、作っている最中不思議な感覚がしたのだ、骨の一つひとつを自分の表したいテーマにそるように組み立てていく感覚は、何とも言い表しがたい快感であった。その日を境により一層骨格標本作成にのめり込んでしまった、そして先生にも……

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