骨格標本

第5話 骨格標本1

「すごいでしょ」

「はい」

 僕は、先生の話す骨格標本の話にのめり込んでしまい。こう言いました。

「さやかさん僕を、さやかさんの弟子にして下さい。」

「ふふっその言葉を待ってたのよ。」

「えっ」すると先生が、話し始めました。

「あなたと初めて出会った時、あなたなら私の作品を理解してくれるだろうと思ってたのよ。でも私の弟子って事は、厳しい修行が付いてくるってことよ?」

「大丈夫です」

 その日から、先生の弟子として骨格標本を、作りました。

 僕の、最初の作品は子猫の骨格標本でした。 

 僕が、作った骨格標本は、先生の物とは全く違いました何が違うのか私は、考えましが。 

 答えにたどり着くことができませんでした。ですが、次の日先生の家にお邪魔した時、丁度先生が鳥の骨格標本を、作っているのを見たら。

 先生は、楽しそうに、自分の意思を骨格標本に埋め込むかのように、作っていたのでこれだと思いました。先生に、そのことを尋ねると。

「楽しくなければ、こんなことできないわよ。何かしら自分の思っていること作品で表現する、それこそが芸術家よ。」

「先生が、表現したいものは何ですか?」

 その質問をすると先生は不敵な笑みで答えました。

「死んだ生物が、ただ腐って無くなっていくのは悲しいじゃない。だから私は、作品で死んだ生物を、生きているかのように表すのが好きなのよ。」それを聞いた瞬間僕は、骨格標本の才能がある。

 先生は、僕の才能を見切って僕に声をかけたのだと感じました。

 なぜそう感じたのかというと僕が、先生の作品を見て感じた印象と先生の表現したかったことが同じだったからです。

 このことは今でも正しいと思っています。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る