悪刀『七実』の虐殺器官

・真理の主体を八つ裂きにすること。まず良い対象と悪い対象という加害と被害の言説を排除する。私は他者を傷つけたり危害を加えるために騙そうとしているのではなく語りの空間を破壊しようとしているのだ。そのための第一歩はコンピュータを名前を身体と切り離す道具とみなすことである。

・このためには電波変換されるための幻想の定式化を用意しておく必要がある。亡霊として息子を監視する父、真理の制度となった母、家族を食べる怪物となった子供、廃物として永遠に生きようとする老人、姫と永遠の殺し合いを続ける妹、弟候補の首を集める姉、不能となって暴君となった兄、変態王子の弟。

・去勢された少女だけが貨幣によって普遍化できるのはそもそも商品生産が失敗した欲望を安全に購入するために行われるのだということを計算に入れておかなければならない。少女の身体を貨幣として利用した方が経済的にうまくいくのではないかというサド的な意見はカードによる象徴化で反論を受けている。

・カードには理想の同一化と近親相姦の対象としての役割があるのだが少女に武器を持たせるにはあらかじめ性的な対象として消費されるのを防ぐためのスリーブがなければならない。つまり子供が変身ヒーローや魔法少女に憧れるのはカードを家族に対する侵犯として考えるか否かにある。

・アニメのキャラクターがスリーブを使わないのは始めから彼らが存在の次元で同一だからである。つまり少女同士のゲームでは身体が交換できる。だが少女が一度召喚されて武器を持たされると欲望に対して安全な距離を維持するということは不可能になる。だから空虚な対象であるスマートフォンが必要なのだ。

・スマートフォンは何のためにあるのか。これは問い方がずれている。スマートフォンはそもそも欲望を安全に再生産するための道具なのであって、その意味を理解することは決してできない。しかしまさにそうであるからこそ純粋に近親相姦の対象になる。常に意味の文脈が壊変されて理解されるということ。・一歩後退しよう。竜やロボット、剣士や軍人がカードの対象になるとしてもこれらすべてが少女で置換できてしまう。去勢された少女の特徴は傷つかないことである。これは貨幣として理想的である。では何が問題なのか。少女を犯すには永遠の触手が必要であり彼女達は普通のペニスでは満足できないことだ。

・少女を崇拝の対象として崇めることは処女の大量生産を求めているだけにすぎない。これでは問題はどこかに箱庭を作って定期的に衣装や舞台を用意してじっくりと観察すればよいことになってしまう。ここにこそ少女が死ぬ危険を導入するためのゲームが必要になるだろう。もちろんこれは仮想に留まるが。

・人間が少女の食料になる(性的な意味で)というのは人間が少女を欲望する限りまったく論理的な結論である。ここで注意すべきなのは少女は貨幣のフェティッシュなのであって欲望の安全を求めるすべての代名詞だということである。だからカードによるイラストの取り込みがスマートフォンで自動化される。

・原爆によって国家への欲望が平和憲法で去勢され黒い雨によって享楽の断片がコンピュータの人食い少女として召喚され原発事故で声の無限の享楽を電撃的な民主主義として供給する永遠の核実験が人類の普遍的理念を代理表象するためにスマートフォンで実況される。放射性だけが近親相姦の声を購入できる。

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