第9話 この現実の全ての答え(万物の理論)
「この現実世界は、全て、
三つの0と、
一つの1と、
四つの10という相互作用によって成り立っている。
それを円周率3.14は、その3、1、4の数字そのものを使って言っているのです。
この現実世界という一進法でね」
そう言って
「先にも言った通り、
そこには時間も空間も次元も、その概念さえまったく必要ありません。
いえ、
ある意味。
それらは0と1が実は先に役割を果たしているとも言える。
では現在、
それがどのような仕組みとなって、この現実世界を成り立たせているかを図で、より詳細に、且つ大まかに具体化して見ましょう」
言うと、真理の目の前でまた別の
「これが現時点での、
この現実世界で原理現象を成り立たせ、
宇宙そのものを構成し、動作させている3.14の姿です」
真理が示すとおり、
その視界の画面内には、一つの丸い円があり。
その円の中を、縦の自転軸が真ん中で区切り、その自転軸を挟んで両方の半径辺にもう一つ小さい円が一つずつ、大きな円の半径をその直径として左右対称に描置されている。
「この様に、
簡単に図で説明すると、一つの円の中に一つの自転軸があり、
その両隣に、二つの円が入っていることが分かる。
そしてこの円の線内部の状態をさらに分かり易くしようとすると、
概ね、下の様な四つから五つの層が重なった階層図で一緒くたに表現することも出来る。
すなわち、
『静止する0
自転する0 ↑大きな円の外
公転する0
四つの10
自転軸1』 ↓中心軸
または、
『自転軸1 ↑中心軸
四つの10
公転する0
自転する0 ↓大きな円の外
静止する0』
と、云う感じですね。
では、この二つの図を合わせて円か球の様な階層図となるものを参考にして、
今度は
その円の中にあるとする「四つの10」が、
じつは、その全てにおいて必ず備えているもう一つの「同じ性質」について。
さらには、
「三つの0」と「一つの1」のそれぞれが一進法の意味において持っている性質について、
これから言及してみます。
四つの10については、
もはやそれぞれが独自に備えている性質に対しての説明は不要でしょう。
重力相互作用、電磁相互作用、強い力、弱い力。
その各一つずつが、
特色ある固有の相互作用力を、現在に至るまで、この現実世界で常に発揮しているのですから。
そのおかげで、この世界は成り立っていると言っても過言ではない。
では、その世界に及ぼしている各自において違うはずのこの「四つの10」が、
実はもう一つ備えている、全てにおいて完全に等しくある同じ性質とは、一体、何であるかをここで説明しましょう。
それは「軽いと増える」という性質です。
あるいは「増えると軽くなる」とも言い換えることもできる。
……。
私が、何が言いたいか、分かりますね?
この現実世界に置いて、
「軽いと増える」または「重いと減る」という性質は、これらの四つの基本相互作用のどれもに当てはまる筈です。
相手が軽ければ周りから引き寄せて自分を増やす。
軽くなれば速くなって自分が移動する。
周囲が増えれば自分は軽くなる。
自分が軽くなれば周囲も増える。
当てはまりませんか?
四つの全てに……?
程度の差はあれど。
ではその軽さの根源とは何か。
この現実世界では、
どうすれば物は軽くなります?
どうやれば物は重くなります?
何を伴って、それは交換されますか?
思い至ったでしょう。
そして、同時に信じられないはずです。
なぜなら、
あなた方は、
それが実は相互作用するものだとは思っていなかった筈なのですから。
それはあなた方の見解では一方通行するだけの代物だった筈です。
しかし、それが実は相互作用するモノだった。
そうです。
それこそが真に、最後の最期で全てと相互作用するモノだった。
それが信じられない気持ちはよくわかります。
私だってこれを初めて知った時は信じられなかった。
しかし、それは残念ながら相互作用してしまう。
最後の最期に……です。
そしてついに、最後の最期のその時に、それを相互作用として成り立たせてしまうもの……。
それこそが「三つの0」と「一つの1」が備える性質にあるのですよ。
ではこの「三つの0」と「一つの1」が持つ一進法上での性質を述べてみましょう。
「自転軸1」は前にも述べた通り、留まる、静止するという性質をもちます。
それはどの様な動きを外部から与えられたとしても慣性として働く。
何があろうと、1は
それが1の性質です。
では「自転する0」はどうか、
自転する0は0以外の物を弾く、という性質がある。
つまり内部にある自転軸である1の事です。
自転する0は自分が「0」であろうとするために内部の「1」を弾きだそうと、自らを回転させて排出しようとする。
弾きだしたい対象そのものである1を中心としてね。
しかし1は留まるという性質があるため、その0から出ていこうとはしない。
その鬩ぎ合う力が、電磁作用力の光を含めた電磁波で在り、磁力の力の一つである反発する力に起因するのです。
そして、
「公転する0」は、「自転する0」または「静止する0」に近づき引き寄せられ、或は自分から接近し、0同士を一つにさせようとする性質がある。
なぜならこの二つは元々「同じ0」だったからです。
その違いは自分が回っているか、相手がその回りを周っているかしかないのですから。
だから重力相互作用では、物は回転して近づくのですよ。
物理現象中ではどうして、物体が引力で引き寄せられる際に、直進して近づくことはないのかという理由はここにあったのです。
引力作用とは、
公転する0とそれに相対する自転する0の中にある1との回転作用だったのですから。
では最期に「静止する0」についての性質です。
実はこの静止する0の中には、さまざな性質が秘められている。
しかしそのどの性質についても、全てが共通しています。
それは全てが0であるという性質です。
言ってる意味が分かりますか?
0は無であり、無は0を意味します。
つまり、
気圧0、
引力0、
物質0、
空間0、
次元0、
時間0、
斥力0、
色素0、
距離0、
世界0、
事象0、
物量0、
質量0
数量0、
重量0、
存在0、
熱量0、
そして……、
温度0です。
それら全てが完全に0。
性質全てが0である。
性質0であり完全0。
よって、全てがそこで完全に0であるのだから、そこでは全てが永久に動くわけがない。
結果、
そこで永遠に世界は閉じられている筈です。
それでは何も動くわけがないし、動けるわけがないのですから。
しかし、この現実世界は歴としてある。
という事は、何も無い
しかし0には何も無い筈です。
無なのですから。
ではその何も無い筈の完全な0という「無」が動かなければならない性質とは何か?
答えられますか?
そう言って、真理は見据えた。
真理は、自分の主人である
この世界の住人であるオワシマス・オリルでも無く。
たった一人の少年、半野木昇に向いていた。
そして、それは当然だった。
ここに居る章子もオリルもその理由が皆目見当もつかなかったからだ。
どこをどう考えれば何も無い
もしそれが分かるのなら、それは神さま以外にいないだろう。
いや、もしかしたらその神であってしても無理なのかもしれない。
如何に森羅万象に全智全能である神であっても、何も無い「無」を動かせるとはとても思えないからだった。
なぜなら「無」は何も無いからだ。
そこには何も無い。
完全な無であるのだから。
そこには神でさえいてはならないのだ。
そんな万能の存在でさえ、その存在を真っ向から否定する完全なる「無」が、たった一人の少年に動かせるわけがない。
だがその少年、半野木昇は知っていた。
半野木昇は分かっていた。
どうすれば無であるはずの0が動くのか。
いや、無にどんな性質があれば無が自ら動き出すのかを完全に把握していた。
無は完全な無なのだから、その性質でさえ0であるはずなのに、
その「性質0」が一体どうすれば自ずから働き動くのかを正確に、少年は理解していた。
だからその少年、
半野木昇は言う。
「0は無なんだから、「たった1つの完全な無」であってもいけない……」
その言葉に世界の全てが沈黙の帳を落とす。
章子もオリルも、ただ茫然とその言葉の意味を、何も考えられない頭の片隅で見つめていた。
だが、そんな沈黙も、それほど長くは持たなかった。
目の前の少女が唯一人、肩を震わせて笑いはじめたからだ。
「く……ッ。
くくくくくくくくくッ。
まったくッ、
どこをどうしたらそこまで、
教えてもらいたいものですよ。
半野木昇。
恐ろしいですね。
あなたは本当に恐ろしい。
我が母ゴウベンでもその直意での真理は、
ついこの一億年前に知ったばかりの最先端真理ですよ?
ギガリスであってさえ、その一歩手前の0と0の融合が1となる原理の終わりを経験則で把握することだけが精一杯だった。
それを超えて、
その先にある真理にたった十四年にも満たない年齢で辿り着くとは、
しかも殆ど独力で、
そんな事は、冗談ではないっ!
断じて冗談ではありません!
あなたは既に、その時点で感性だけなら我が母ゴウベンを超越しているッ!」
そして、さらに首を振り、昇の答えが正答であることを肯定する。
「まったくその通りですよ。
半野木昇。
0はただの1つの完全な無となってはならない。
0は「唯一無二の無」であってはならないのです。
0は0なのですから。
それは例え自分という0を指し示す数字だろうとも認められない。
どんな形であろうとも「1」という数字は認められないのです。
それが静止した0の性質。
0は無でさえも0でなければならない。
完全0の性質の中には当然「無0」までもが備わっていないといけないのですよ。
言ってる意味が……。
分かりますか……?
それが0の性質なのです。
あなた方はよく言いますね?
この世界はどうして、
『何故何も無いのではなく、何かがあるのか』と。
それは0が0という1であってはならないからですよ。
0は
それが0の性質なのです。
だから0は、何が何でも「無、0」でなくてもならない。
では0を、無0でもある「完全な0」足らしめるためにはどうすればいいか?
答えは簡単です。
もう一つあればいい。
完全0がもう1つあれば、0は0として完全な0となって成立する。
いや、成立できる!
0は2つ以上あれば少なくとも一方だけは完全な
そして当然、二つの0が完全に止まってさえいれば、
その二つの
しかし、それは出来ない相談です。
0はそれが完全0であろうが、二つ以上あると確実に1を作る。
0と0という二つが、合わさってしまうと「1つの0」、つまり「10」に成ってしまうからですよ。
さらに0は0であるが故に、同じ0を0として存在せるために1つの0に成ろうとする。
だから0はまた増える。
自分という1さえも0は許せないからです。
故に0は自分に向かってくる自転する0、公転する0の内で0だけを奪い取り、その自転軸である1のみを外に輩出し、出し続ける。
自分にあろうとする1だけは他に排出し続けなければ、自らは0でいられないからです。
しかし0から追い出された1はいずれ0に為らざるを得ない。
1には自ら動くという性質は絶対に備えてい無いからです。
1には静止することしか能が無いのですから。
あなた方はよく勘違いしがちですが、
一進法においては、
静止する役割は0の方にはない。
絶対に。
全く。
完全にです。
止まるという性質は、
実は0ではなく。
我々、1の方にあるのですよ。
そして静止する1は0でしかない。
そんな事は想像してみればすぐにわかる。
1は0が無いと動けない。
ならば、
動けない1は0と同じでしょう?
命の無くなった人が0と同じようにね。
だから言ったはずです。
止は死であり屍をも意味すると。
すなわち、
1はそのままでは0でしかない。
しかし、
0は1であってはならない。
だから0は1を動かす。
1を10として動かして、それから0だけを抜き取って自分を0足らしめる。
その為にはどうすればいいか?
0という自分が動いて《増えて》1という10に成るしかない。
0が0でいられるために、
1になろうとする
そうすれば二つの内どれか1つの0は10の中にある0として完全な0でいられる。
その為なら、
とれる手段は何だっていい。
自分が回って1に為り、他を0にしても、
あるいは自分の回りの0を動かして、自分以外の他を1にしても、
それをやると、ほら、
静止と自転とさらに他にもう一つ、三つ目の
静止する0が、自転する0という自転軸1の入った0、つまり自転する10から0を抜き取る時に、抜き取られる0が公転してしまうからです。
その為、
静止するという「完全な0」の他に、あと二つの0が、
その完全な
つまり、
自分が止まるか動くか、
あるいはそれとも、
他が動いてしまうのか、
静止と自転と公転。
完全0も含めた、
この三つが出現する。
そして、
この三つが発現してしまうと、
あとは、
局所的に、
他を増やすこともできてしまう。
三つの0と、
一つの1による、
4つの10を導具としてね。
それが0.17。
あの円周率3.14と内周率2.97の狭間にある数字。
0を一つだけ残して、3という数字が小数点の対岸にある1を飛び越えて4に足される。
これでこの世界は完成する。
天を2.97という上限とし、
大地を3.14という下限とするのです。
そして、その間にある世界がこの現実世界、0.17。
これが
そうやって増えていく。
0という1が、連鎖的にね。
だから……ッ。
"0は全てでなければならず"
且つ!
"1も全てになければならない"
『そうすれば0は完全な0でいられる』
全てにある静止する1を自転する0の中に閉じ込め動かし続けて包み込めば、
自らは完全な0でいられるのです。
だから0は1という0が増えていって1を動かす。
三つの0を使ってね。
私たちは1であると同時に0でもあるのです。
私たちは0ではない1という数字が許すたった1つの
静止する0の中に在る、ただ一つの公転され自転する0という人生を一という命によって繰り返す唯一無二の0なのです。
自分だけの0に刻まれた死と出生という最初と最期にある、もう二つであり、ただの一つでもある開始の
その時こそ、
我々のもつ出生、命、死地というこの三つの1を合わせた2.9は、最期に足される死という1がその瞬間に出生するという瞬間の1に切り替わるのです。
だから死亡の1は出生の1と同義であり同時に発動する。
それがこの人生という1を唯一つの
その事実を教えてくれていたのですよ。
否数法と一進法はね。
そして、これがこの世界の真実でもある!
……だから現実世界でも、
何も無い、真空である筈の一つの
電子と陽電子が、一つずつ。
あなた方はそれを「真空の揺らぎ」だとか言ってますが、それは違う。
それは
そして、
この世界では
だからこそ、
この事実と仕組みが、この宇宙の未来と過去も含めた現実世界の原理の仕組みを全て暴くのです。
では、
ここでもう一度、おさらいしてみましょう。
私がこの屋根裏部屋で話したことを一から全部ね。
まずは最初の一つから。
この現実世界の事実。
その一、
その二、物質の形態には気体、液体、固体に加え、煉体の四態相がある。
その三、熱伝達には、伝導、対流、放射に加え、転移という四つの伝達手段がある。
その四、「第四の火」ビッグバンは、まだ存在しない位置、つまり0と0とが「ただ1つの0」となる反応である。それが過去では計202回、既に起こっている。
その五、絶対零度は今もまだ現在進行形で摂氏マイナス273.15度から下がり続けている。
その六、元素はビッグバンを繰り返すたびにその種類、絶対数が減少している。あと残り118種。
その七、この現実世界は、1が「0という1」によって繰り返される一進法で成り立っている。
その八、この宇宙は三つの0と一つの1と四つの10で構成されている。
その九、四つの10、つまり四つの基本相互作用は全て、「軽いと増える」という性質がある。
その十、1には止まる性質があり、三つの0には「0同士の同化、0以外との反発、完全0の性質」のそれぞれが備わっている。
と、
大まかに分けてこの丁度、十か条に出来たわけなのですが、
さて、
この中に我々が今まで確実に過ごしてきた、あるいはこれから過ごす未来や過去の仕組みに関する数字は出てこなかった。
これがつまりどういう事なのか。
結局、過去や未来は一進法では表現することはできなかった?
ということは、
一進法が世界の全てを支配しているという事実はなかった?
いいえ。
そんなことはない。
そんな事はないのですよ。
なぜなら既に答えは出ているのですから!
出ているでしょう?
あなた方が勝手に「ここまでだ」と限度を決めていた絶対零度は現在進行形でまだ下がり続けている。
四つの10である基本相互作用は全て「軽いと増える」という性質がある。
そして、元素はビッグバンを繰り返す度に、0に近づき宇宙全体が重くなるために絶対数が減少している。
その理由から導かれる一つの答え……」
「そんな……」
真理の言葉に、
章子は我が目を疑った。
そんな事があるわけがないと思ったからだ。
過去と未来とが、そんなバカげた「一般現象」で区別されている筈がないと思ったのだ。
そしてそれはオリルも同様だった。
オリルも時間という物をそんな風に捉えたことは一度も無い。
だが、よくよく考えればそれで全て辻褄があった。
たしかにそう考えれば、時間も空間も全て一進法で片が付く。
本来なら相互作用しないはずだった物が、そこで最後に相互作用してしまえば……。
「そうです。
軽さと重さ。
これが過去であり未来への原理作用だったのですよ。
熱力学。
空気は熱いと軽く、
冷えると重くなりますよね?
これは最も基本的な自然現象です。
そして、それが過去と未来への答えでもあった。
なぜ、時間の矢が存在するのか。
なぜ、液体に他の液体を混ぜると元に戻らなくなるのか。
なぜ、物は熱いと軽くなり、冷めると重くなるのか。
なぜ、光速という最も熱く軽い速度で移動すると、自分だけが現在の身そのままであるにもかかわらず、到着地を含めた世界の全ては未来となってしまっているのか。
そしてなぜ、凍ったそのままで時を過ごすと未来に辿り着けてしまうのか。
その問いに対するすべての答えが、
それだったのです」
「うそよ」
「いいえ、
章子、これは
「うそよっ!」
「いいえ、よく聞いて下さい。
未来は重く……」
「ウソよぉッ!」
「過去は軽かった!」
「うそ……よぉ……っ!」
そして最後に章子は崩れ落ちる。
「我々は今この時も、この世界……、
いえ、この宇宙ごと冷えて重くなっていっているのです。
絶対零度の小数点以下の遥か彼方の数字でね。
しかも、光速度の速度よりも遥かに早く速くです。
それが、あなた方が「時間」と呼ぶこの現在と過去と未来の仕組みの全てだったのですよ。
そしてそれが暗黒エネルギーと呼ばれる外側への斥力の正体でもあった。
それを縛り否定する筈の、熱力学、第零番から第三番までの全熱力学法則は、逆に全てが既に、三つの0と一つの1の存在作用によって、完全に否定され破られている。
0と0の融合による1の発生は、熱力学の全ての保存則をその根本から打ち破るからです。
つまり「宇宙は増大できる」ことをここに証明する。
さらにこの数字の動きは、
それこそが単なる温度の移動に過ぎなかったことを示すのです。
実は、宇宙の末端である暗黒エネルギーが、
単なる軽い熱い方から冷たい重い方へと向かう動きだという事実をね。
それがただ光速度を超えていたというだけのお話だった。
そこから、さらに重い未来、温度0ヘと沈んでいくというだけの単なる現象。
そして、
我々が過ぎていった過去は軽かった。
今、我々が光速を超えた速度で重くなっていっている現在よりも遥か彼方よりも軽くね……。
その重さの決定的な違いが、完全な斥力として過去と現在を阻むのです。
だから遠ざかる。
だから我々は過去には行けない。
あまりにも過去は軽すぎるから。
それは手から離れたヘリウム風船よりも、残酷に空へと遠ざかっていく。
そこに行くには自分たちもさらに軽くしなければいけない。
今よりもさらに重くなっていっている位相速度よりも早くです。
光などと比べるよりも……。
もっと速く軽くね……」
それはつまり、
自分たちが、今の「
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