第18話 知的美女に俺の体液を流し込む!

「これは一体・・・」

「ルリ! しっかりして!」

「ブモォ!」


 ルリは息荒く、体を横たえて気絶していた。しかしその体には血管が浮き出ており、時折ボコンと体の一部が脈打っている。

 明らかに異常事態だ。カバも鼻息を荒くしている。


「芳雄様!」


 エルがこちらに顔を向けてきた。


「どうした、は、早くルリを病院に・・・。」

「あなた様の力が必要です。」

「なに? 俺は医者じゃないぞ。」

「あの不思議なお水をルリに与えてください。」


 なんだって? あの水だと? あれになんの力があるんだ?


「あの水って・・・それで何とかなるのか?」

「わかりません。でも私はあの水を飲むたび、尋常でない大きさの魔力が注がれているのがわかったのです。」


 なにそれ初耳。


「きっとあれは神の水・・・神水に違いありません。」

「そ、そんなものがあるのか。」

「今名づけました。それに・・・。」


 ガクッ、い、意外と適当だな。


「あの水が力になり私が命を取り留めたのもまた事実、ルリにもあの水を飲ませてやってください、お願いします!」


 エルはまっすぐな目で俺を見てきた。


「わ、わかった、あの水がなんの役に立つかはわからないけど、やってみよう。でも無駄だと思ったらすぐにやめてさっさとルリを連れて最寄りの街を目指すからな。」


 俺は早速汗をびっしょりとかいたルリの頭を抱え口元にパイプのようにした触手を持ってきた。

 エルはその様子をじっと見つめている。


「ん・・エル? あの、ちょっと気が散るんだが」

「「わ、わかりました。」


 エルはおずおずと後ろを向いた。

 ただチラチラとこっちを振り返って見てるのがまるわかりだったりするのだが。仕方ない、いちいち指摘するのも面倒だし放っておこう。


 ルリの口の中に触手を突っ込み、あの水を出してみる。


「ぐむ、げほっ! げほっ・・・げほ・・・・げほ・・・・・。」


 だめだ、自分で飲み込む力が無くなってしまったようでむせてしまった。

 エルの時のように無理やり飲ませるしかないか・・。

 触手を細くし、食道から胃まで伸ばす。


「ひゅー、ひゅー、ひゅー。」


 見るからに苦しそうだ。早く終わらそう。

 ゆっくりと液体を流し込んでいく・・、内心本当にこんなことで治るのだろうかと心配していたが、少しずつ流し込むたびに体の色つやがよくなり、血管も元に戻っていった。


「ひゅー・・・・、ひゅー・・・・、ひゅー・・・・。」


 ふぅ、息も落ち着いたきたようだ、ゆっくりと触手を引き抜いていく。


 ガッ


「ふぁ!?」


 途中で噛まれて止められてしまった。


「な、なに!? どしたの!?」


 突然の事に狼狽えていると。


「もっひょ・・・。」

「え、もっと欲しいの?」


 ルリはゆっくりと頷いた。一瞬躊躇ったが再びゆっくりと液体を流し込んでやる。


「コク・・・コク・・・コク・・・・」


 流石にもういいかなってところでもう一度引き抜こうとする、が、また止められる。


「おいひぃ・・・もっひょ・・・。」


 仕方ないので満足するまでくれてやった。

 ちなみにエルはもう完全にこっちをガン見していた。

--------


「あ~・・・美味しかった・・・・。」

「落ち着いた?」

「うん。」


 ルリは横になりながら目を細め満足そうに答えた。


「ルリ! 良かった無事で・・・。」


 エルがルリに抱き着いた、さっきガン見していたのはよほど心配だったからだろう。・・・だよね?


「エル・・・ ありがとう、私なんかのために・・・。」

「ルリは私の大事な親友なんだよ! 見捨てられるわけないじゃない。」


 ルリはエルの感極まり肩を涙で濡らしている。

 やっべぇ、俺まで泣けてきた。いやぁなにはともあれみんな無事で本当に良かった。

 そのまま二人が無事を確認しあっているのを眺めているとブモォという鳴き声が聞こえてきた。


「ああ、お前もここまで連れてきてくれてありがとうな!」


 俺が触手でポンポンと頭を撫でると、ガバは誇らしげにもう一度ブモォと鳴き俺の横に座って二人の様子を眺め始めた。


 ・・・・で、これからどうしようかね。

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