世界にとって「異端」な二人の旅人。彼らが夜の森で言葉を交わす、ワンシーンを切り取った短編です。異世界召喚の「裏道」を行く発想と、美しくも寂寥を帯びた世界観が印象的でした。この作者さんの「魔女は涙を流さない」も拝読しましたが、いずれも世界や人物の設定が緻密であり、奥深さと世界の広がりを感じさせます。長編で続きが読めないものかと思わずにいられません。