新しい実験動物の歴史

我々一切の価値の価値転換だけがこのようなことを語ることができるのである。しかし私がつくづく感じざるを得ないのは、ローマ人がユダヤ教やキリスト教を「迷信」と言った時の気持ちが分かってしまうことだ。後世の我々はが勝利したとはとても信じられないだろう。だがこれは私の独創ではなく、精神分析という欲望の宗教の預言者フロイトとその狂信的使徒であるラカンの発明品である。近親相姦をする欲望というフロイトのこの偉大な観点は、ラカンによって近親婚の普遍化にまで拡張され、完全に終結した好きな種類の奴隷状態を承認する権利をきちんと踏み潰し、同性婚などというものを見下せる立場に立つことになるだろう。恋愛に権利などという不埒なものの口を挟ませてはならない。生と運命のあらゆる凱歌を奏でる他の「愚行」に関して言えば、我々は単に歴史に対して謙虚になっただけとも言える。改善された人類などという憐れむべき汚物をきちんと軽蔑する訓練をすること、これこそ文化本来のというものであろう。

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