第5話逢瀬
ヒカルはブラジルから帰国した。仕事は上手くいった。日本は梅雨も明けいよいよ本格的な夏だ。連日、相変わらずの酷暑。ヒカルは汗とともに地球温暖化のリアルを実感した。
「アイツ、親が死んだらどうするつもりだろう」
「神様だから大丈夫か」
ヒカルは今でも時どきツヨシを思い出す。地球はなかなかスムーズに回ってくれない。体感としては皆そう思っているはずだ。せめてツヨシが肺いっぱいに外の空気でも吸ってくれれば、とヒカルは考えた。
そんな時、ヒカルはハナという女性と出会った。出会い系アプリで知り合い、リアル世界で会うことになった。おしゃれな居酒屋で二人は盛り上がり、そのままヒカル宅のベッドへなだれ込んだ。
「地軸の傾きに感謝」
「なぜ?」
「日本の四季はそのおかげだから」
ハナはユニークな女だった。ハナは独特の視点で他人が気づかないことをさりげなく指摘したりした。ヒカルはそんなハナにどんどん惹かれていった。二人のデートは依存症患者のように繰り返された。
そしてヒカルとハナは結婚した。
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