続、願い
愛したあの人の子だとわかるように
私の緑とは違うあの人と同じ黒い瞳
私の茶色とは違うあの人と同じ黒い髪
ああ それだけではだめよ
憎き女の産む子より美しくなければ
透きとおる雪のように白い肌
瑞々しい林檎のように赤い唇
誰もが振り向くような美しい声
神もが愛でるような美しい姿
そんな子を私は産みたい
そうすればきっとあの人はまた愛してくれる
私を
愛してくれる
娘は鏡を握りしめ
願いの言葉を吐き出した
魔女は笑って言葉を紡ぐ
そんな事を君は願っていたのかい愚かだねぇ実に愚かだよ愛なんてあっても邪魔なだけだと思うんだけれどねぇ呆れた呆れたまあいい今更何を言っても仕方がないさ出してしまった言葉は消えないからね
その鏡は君にあげるよ願いが叶うまでは割らないようにその後は君の好きにするといい
次の満月が昇る頃には君の馬鹿げた願いは叶うだろうさ
魔女は娘に微笑むと
優雅に家から出ていった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます