続、願い

愛したあの人の子だとわかるように

私の緑とは違うあの人と同じ黒い瞳

私の茶色とは違うあの人と同じ黒い髪

ああ それだけではだめよ

憎き女の産む子より美しくなければ

透きとおる雪のように白い肌

瑞々しい林檎のように赤い唇

誰もが振り向くような美しい声

神もが愛でるような美しい姿

そんな子を私は産みたい


そうすればきっとあの人はまた愛してくれる


私を


愛してくれる


娘は鏡を握りしめ

願いの言葉を吐き出した


魔女は笑って言葉を紡ぐ

そんな事を君は願っていたのかい愚かだねぇ実に愚かだよ愛なんてあっても邪魔なだけだと思うんだけれどねぇ呆れた呆れたまあいい今更何を言っても仕方がないさ出してしまった言葉は消えないからね

その鏡は君にあげるよ願いが叶うまでは割らないようにその後は君の好きにするといい

次の満月が昇る頃には君の馬鹿げた願いは叶うだろうさ


魔女は娘に微笑むと

優雅に家から出ていった



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