第3話 一方的な攻撃とNPC現る

はいはい只今、私たち勇者は、戦場にきております。

しかも、最前線に来ております。

そして、王様から「魔法職の者は全力で魔法を放て!!」と言われたので只今私は、何がいいかな~と魔法マジックリストを見ながら考えていた。

『死を運ぶ風(デス・オア・ウイング)』がいいか『大地と空の審判』、『永遠なる氷河(ハイオーニエ・クリュスタレ)』などが候補にあがったがどれも適正LV300以上の敵に対しての広範囲殲滅型魔法であり、明らかにオーバーキルすぎる威力を誇る魔法である。

いくら敵が多いにしろ今回の敵はLV15~30と私からしたら低LVである。

これはないだろうと思い周りの人たちのLVを見たときはビックリしたものだ。

何にせよ、この国の騎士団長ですらゲーム時代の脱初心者LV・・・・これを知ったときは目を疑ったほどだ。

あ、そのステータスがこれだ。


ガルバー・ハクビ・リーカス:38歳

種族:人間

LV:50

職業:騎士LV50


うん、職業枠開放すらしていない。

これでよく人類最強と言えたもんだ。

まぁ、たぶんだが、開放の仕方などが発見されておらず、さらに死んだらそこで終わりなところも一つの要因なのだろう。

そりゃあ、初めから職業を3つも持っている勇者に頼るのもわかる。

そろそろみんなも使う魔法が決まったみたいだ。

各自、準備を済ませたものから使い始めた。

「火球(ファイヤー・ボール)」「凍結の矢(フレージング・アロー)」「毒の矢(ポイズン・アロー)」「風の刃(ウィング・エッジ)」「石礫(ストーン・ショット)」といった下級魔法が敵に目掛けて放たれ、その中には、「竜巻(サイクロン)」や「酸毒の雨(アドシック・レイン)」という中級魔法も見られたがどれも私からしたら味気ない魔法ばかりであった。

ずっと眺めているばかりで魔法を唱えない私に嫌気がさしたのか王様が「うん?お主は魔法を唱えんのか?」と言ってきたので本物の魔法というものを見せてあげようではないか。

しかも、詠唱してだ!

通常の私は無詠唱で魔法をぶっ放すため、詠唱するのは珍しいことである。

イグドラシルでの魔法タイプは大きく3種類に別けられる。

1つ目が呪文を詠唱し魔法を発動する威力は高いが発動に時間がかかる定番的スタイル、2つ目が魔法陣を描き発動する事前準備などができトリッキーな戦い型ができるスタイル、3つ目が自分の体自体を発動体にして発動させる威力も発動速度も高いが手数が少ないスタイルである。

中には、複数のスタイルを使い分ける者もいるが楓ことリリィーは詠唱と魔法陣の二つを使う魔法剣士(魔法より)である。

普段は威力の低くなる無詠唱での魔法使用をしている彼女が詠唱をして魔法を発動させるとどうなるか。


「我ここに命ずる、氷の女王カレティナ、古の盟約にもとにずきその役割をなせ、死なせ、死なせ、死なせ、我が望むは、みなに等しき死、汝への対価は時、今ここに契約は交わされた。死と時により盟約を果たせ、『時に死せる氷河(タイム・オア・デスフロージング)』」


と詠唱し放たれた魔法はその効力を発揮した。

敵陣営の中心から大地は凍り、生物は凍った大地の上で逝き絶えていった。

そして、時が止まったかのごとく静寂に包まれた。

誰しもが目の前で起こった光景が信じられないのだ。

魔法を発動した本人とこの魔法をゲームの中で見たことのある者だけは「おお、現実になるとずごいな」とか「リリィーさんはやっぱりチート」などと言っている。

おかしい。

そう思ったのは一人や二人ではないはずだ。

ただ単にあんな会話ができる者たちがおかしいのだと思うことで現実逃避する者があとを絶たない。

そんな現状を作り出していた。


「お父様、これを」


王女ルイスはこの状況に中で王様にある者のステータスカードを見せた。

そこには、


リリィー・ア・キュバリエ 女:18歳

種族:魔法との戦の女神 ベース:吸血鬼 真祖

LV:50

職業:女神(魔法と戦)LV:50・吸血姫LV:50・戦巫女LV:50

・死の人形師LV:50・大賢者LV:50・刀剣舞踏士LV:50・氷姫LV50・付加術師LV:50・錬金術師LV:50

スキル:神気LV10・魔力支配LV10・全属性魔法LV10・血魔法LV10・死魔法LV10・刀剣舞踏LV110・刀LV10・人形使いLV10・錬金術LV10・付加術LV10・属性強化LV10・魔法強化LV10・魔力強化LV10・魔力昇華LV10・無詠唱LV10・氷属性強化LV10・氷属性昇華LV10・陰陽術LV10・結界術LV10など

権能:魔法・戦

称号:異界の女神、魔を統べる者、魔道神、戦神、最強の王、世界に認められし者


そこには、見たら先ほどの光景を納得できてしまうほどの内容が書かれていた。


「リリィー殿、いや様、我々の国を救ってはくれませんか?どうかお願いいたします!!!」


一国の王が頭を下げるというあれ得ないことが起きたが神様の前ではそんなことはないと誰もが思った。

何せ、相手は一瞬にして辺り一帯を氷の大地へと変えてしまえるほどの神である。

そんな者の力を借りれたら、それだけで絶大な影響力を持つのと同じなのだから一国の王が頭を下げるまで必死になるのも頷ける。

だが、それは夢で終わった。

なぜなら、


「お迎えに上がりました。主様」 


と一人の美しい女性の言葉によって終わってしまったのだから。

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クラスで勇者召喚 私は中立な立場をとります!! Evanzyerin @Eva

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