漢字に纏わる雑学

 私が高校生の時、クラスの担任だった国語の先生は、今思うと雑談の中に結構な雑学的教養を植え付けてくれる人でした。どんな教養かって?


 そうですね。例えば、恋という文字の旧字体を皆さんは知っていますか?


「そんなことか。簡単だよ」と仰る方も沢山いると思います。


 では、ここに恋という字の旧字体を知らない人が居ます。その人から「恋の旧字体はどう書くの?」と聞かれました。ここには紙も書くものも有りません。さて、あなたはその人にどの様に教えるでしょうか。


 空中に指で字をなぞるように教えますか?


 言葉で教えてくださいと言われたらどうしますか?


 さて、その時先生は私たちに、こう教えてくれました。


 恋という字は「いとし、いとし、という心」と書くって。


 そうです二つの糸の間に「言」という字が入り下に心を書くのです。だから「糸し糸しと言う心」なわけです。そしてその意味は「愛し愛しと言う心」そのものです。


 まあ、そんな洒落た考えで作られた字ではないのでしょうが、この文字をそのように解読した最初の人は、相当に洒落た感覚の持ち主だったのではないかと、私は思っています。


 例えば、「人が者(物)を言う」と書いて儲けるという字になります。そう、お金を儲ける為には言葉が必要だということ。つまり物を売るための言葉を発しなければ、そこには商売が成り立たなくなり、お金を儲ける事はできないわけです。


 色々と探してみると、この様なちょっとだけ洒落た表現のできる漢字が、他にもあるかもしれませんね。


 


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