日本の心を考える
日本人と自然1
雨を現す言葉。幾つ言えますか。
小雨、霧雨、驟雨、五月雨、通り雨、小ぬか雨、豪雨、にわか雨、秋雨、梅雨、春雨、涙雨、夕立雨、甘雨、催花雨・・・。
私の頭の中にあるだけでもこれだけの言葉がでてきます。恐らく、まだまだ沢山ありますよって教えてくれる人もいるかも知れません。雨一つ取っても日本語にはこんなに沢山の表現が有ります。因みに風を現す表現は二千にも及ぶとか・・・。
どうして、日本にはこんなにも細かな表現が有るのでしょう。英語だったらReinの一言で済んでしまうのに。
これは、私たち日本人の先祖が、常に自然と共に生きて来た証ではないでしょうか。私たちの先祖は、雨の降り方一つとっても、一つの単語で相手にどの様な雨なのかを想像させることができるように、表現を細かく表したのではないでしょうか。
風もまた然りです。東風、南風、西風、北風はもとより、そよ風、強風、やませ、〇〇降ろし、海風、潮風、木枯らし、ビル風、春一番などなど。実際に詳しく調べるとその数は数え切れないほどあるようです。
私の悪い頭でもこれだけの単語が出てくるほどに、自然現象に対する日本語の表現は細かく分類されています。つまりは日本人ほど自然と親しみ、自然を畏怖し、自然と共生してきた民族はいないということだと、おじさんは思っているのです。
その、意識は着物や漆器の模様にもハッキリと現れていますよね。そうです着物でいうならばその柄は、菊や牡丹などの花であったり、水の流れや波であったり、鳥であったりと自然の中の息遣いが模様として表されているんですね。
この辺が西洋の文化とのちがいなのではないかと私は考えています。日本の伝統工芸品には、日本人の心が沢山詰っています。
私たちは日本人として、もっともっと日本の伝統美を知る事が必要なのではないでしょうか。
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