独裁者はつらいよ

 最近、北〇鮮のミサイルの話題が、一か月に一度くらいのペースで報道されています。三代目独裁者として国家に君臨し様とするためには、何らかの権威を国民に示さなければならない。そんな、愚かしくも切ない独裁者の運命をおじさんは可哀想な奴だと同情しているのです。


 何をあんな奴に同情する必要があるんだと、皆さんからはお叱りを受けるかも知れません。しかし、恐らく彼の心の中は「同情するなら金をくれ!」と叫んでいるかも知れません。いや、別に彼を笑いのネタにしようとは思ってはいないのです。


 どこの世の中にも、仲間外れにされた者は、自暴自棄にしかなれない。我が国にも沢山の例が有るではないですか。友達から仲間外れどころか虐められ、自殺していく若い命が年に何十件報道されていますよね。恐らく彼らは反抗する力がない為に自殺へと追い込まれていく。しかし、彼の国の独裁者には国内における権力という武器が有るから、世界的な流れに逆らってしまう。


 以前は、隣の超巨大軍事国家が兄貴分として、後ろ盾になってくれているからと、我が儘放題していたものが、兄貴分にまで見放されてしまったが故に、自暴自棄になって経済力も資源もないのに、世界中が自分の国家を恐れているんだと自分に言い聞かせて、やりたい放題勝手なことをし始めた。


 「窮鼠猫を噛む」という言葉がありますが、兎に角、将軍様は世界を相手に独り戦ったという伝説が作りたいんですよね。側近の誰かが早く「我が国の国力では、世界を相手にすることはできません」と教えてあげなければ、彼は童話の『裸の王様』になってしまう。彼は側近の人間たちに唆されて、力のない軍隊を世界一の軍隊だと思い込んで、その力を誇示しようとしているに過ぎません。つまり、強い軍事力という衣服を着ていると自分では思っているけれども、それは飽くまでも自分と側近がそう思っているだけで、このままいけば、世界中の誰かが必ず「なんだ将軍様は裸じゃないか」と言うことは間違いありません。


 このようにして、未来が誰からも見透かされてしまう、彼の運命を私は可哀想だと思うのです。独裁者の末路というのは、なんとも悲しいものなのです。これは、歴史が物語っています。そして独裁者が実は、非常に淋しい存在であることも。隆盛を誇っている時は皆、彼に従うでしょう。しかし、それは『面従腹背』。彼に力が無くなった途端、周囲の者たちが彼を裏切り始めるのです。


 ま、本当に自暴自棄になって、辺りかまわずミサイルを打ちまくらなければよいですが……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る