躾と虐待

 我が子を衣装ケースに押し込み、死なせてしまった親のニュースが流れていた。警察の取り調べで容疑者は躾の為に、衣装ケースに幼子を押し込めたと言っているらしい。


 しかし、今の親たちは躾の意味を知っているのでしょうか。


 躾とは見た通り身を美しくすると書きます。これは、見た目を言っているのではありません。内面からの美しさを醸し出すという事だと私は思っています。これは体罰や暴力でできることではありません。


 上杉鷹山の言葉に「して見せて、言って聞かせて、させてみる。褒めてやらねば、人は動かじ」というものが有りますが、恐らく子育てもこの通りだと思うのです。いや、この言葉にプラスして愛情を込めることが稚拙なんだと思うのです。


 片付けができなければ、一緒に出来るようになるまで付き合ってあげる。そして、上手くできたところを褒めてあげる。何かをしようとして失敗しても決して怒らない。どうして失敗したか一緒に考えてあげる。そして挑戦したことを褒めてあげる。


 大切なことは、やる気を出させてあげること。私は自分の子供を自分の持ち物と思った事は有りません。常に一人の人格として付き合ってきたつもりです。特に中学校を卒業するまでは、自分の愛情の全てを注いだつもりです。いつも友達のように、できるだけ同じ視線で話をしたつもりです。ですから、中学卒業してから後は、本人の意思に任せても大丈夫だと、殆ど干渉するきにはなりませんでした。


 どのような道を歩いていくにしても、ここから先は自分の責任で行動していけば良いと思っているからです。


 そう、子供にしてあげるべきことは、一緒の目線で一緒に育っていくことだというのが私の持論です。親だから偉いんじゃない。親だから子供が育つ姿を喜ぶべきなのです。親だから子供が育つために、自分が何をすべきかを考えなければならないのです。


 子は親の鏡という言葉がありますが、子供が幸せそうな顔をしてるという事は、親が幸せな生活をしているという事だと思います。また、親が偉ぶって威張り腐っている家庭の子供は、暗い印象を受けますよね。


 悪い事をしたら、何故悪いことなのか一緒に考え、ゆっくりと子供が理解できる言葉で教えてあげればいいんです。決して自分のレベルで話してはいけないんです。そうしているうちに子供はしっかりと大人になっていってくれます。


 親が暴力や虐待で子供を恐怖に陥れれば、間違いなく子供には傷が残ります。そして、その結果として、親殺しや大人になってからの子殺しといった、不幸な結末を迎えるのではないかと私は思っています。それが因果というものだからです。


 そして、愛情をこめて優しく育てていけば、必ず優しい子に育ってくれるんだと思います。あなたはどう思いますか?

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