Take‐5 映画『ディセント(The Descent)』(2005)は面白かったのか?


 暗所恐怖症の閉所恐怖症。


 なんぞの漫画ではありませぬが、ひょっとすると私は少しそのケが強いのかもしれんな思う時があります(;・ω・)


 たまたま体調が悪かったりトカ睡眠不足だったトカあるのかもしれないけれど、見ているうちにスーッと血の気が引き、汗がダバダバと止まらなってしまう映画ってのが何本かありました。いわゆる、貧血 であります。


 この『ディセント(The Descnt)』(英)という映画を見ている時もそうだったんですよね。

(´・ω・`)


 まあ、探検好きのグループが地下洞窟で落盤に合い脱出できなくなる映画なんですが、後半からは地底人にまで襲われてしまうというホラー。


……こう書いてるとなんだか川口浩探検隊のようなお粗末な感じもしますがなかなかどうして、クオリティのある一品。


 地底人は『ロード・オブ・ザ・リング』に出てくる「いとしいしと…」なんて言っちゃってるゴラムをさらに白く細くした感じなのですが、問題はそこでないわけです。だって、貧血になったのはそれら地底人モンスターが出てくる前なんだもの。


 登場人物だって誰一人血を流してるわけでもなく、ただただ映画の前半部分で描かれている“闇と狭さの閉塞感”によって引き起こされたのだと思われます。


『そうかぁ、本当の暗闇ってこんなにも怖いものなのね……』と、体感できるくらいの息苦しい映像の連続によって引き起こされたのだと思われます。


 とはいえ生きたまま棺桶に入れられて埋められた男の話を描いた映画『リミット(2010)』なんかはそれほど怖さも感じなかったし、やはり“見せ方がうまい”ってことになるんですかね。


 ちなみにもう一本、私が貧血になった映画があります。

『オープン・ウォーター2(Open Water2:Adrift)』(独)という映画です。


 あくまで2です。なぜか2の方なんです。


 1はスキューバ・ダイビングを楽しんでて海のど真ん中に船から置き去りにされたカップルが鮫の襲撃と寒さに耐えるといった映画で低予算ながら大ヒットしたので記憶にある方もいると思いますが、2はあまり見られてない方が多いのでは?


 これがまた意外と面白いんですよ、2のくせに(笑)


 今回もやっぱりクルーザーで海のど真ん中に遊びにいくグループがいるわけですが、皆で海に飛び込んだ後に、なななんと、


『船に上がるためのハシゴを下ろし忘れちゃった(テヘ♪)』


 という緊急事態が……。



 バカですよねー。でもやっちゃいそうなんですよねー。ただ、オートロックの部屋に鍵置き忘れるのとは意味合いが違ってますからねー。ちなみにこれも実話らしいです。


 で、今回は鮫は出ないんですがパニックに陥った集団心理の怖さがえげつなくて怖いんですわ。


 何かに追いかけられるでもなく襲われるわけでもない。もうね、目の前に、ほんっと目の前に助かるための船があるんですよ。バーンと。ドーンと。でも上がれない……

( ̄∇ ̄;)


この“痒い背中に手が届かない”感がハンパないのね。冷静になって考えれば方法とかありそうなのに、やらなくていいことやっちゃうトカ、余計なことしちゃうトカ、おまえのせいだトカ僕のせいぢゃないやいトカ。


 そんなやりとりを見てると、広い大海原が舞台はずなのにこれまたやってくるんですよ。ヤツが。あの息苦しい〈閉塞感〉が!


 海恐怖症の女の子から唯一の救命器具であるエアーバッグを奪おうとしたり、誤って脇腹をナイフで刺してしまったり、だんだん追い詰められていく彼らを見ているうちにまたスーッと血の気が引き、冷や汗がダバダバと……



 一時停止 & 休憩。




 気が付くとベランダで風に当たりながら体育座りしてました(笑)


 その辺はまあ、私が不甲斐ないだけであって二本ともパニック・ホラーとしてはなかなかどうして、本マグロとは言わずとも、『ディセント』なんかは隠れた高級魚クロムツ、『オープン・ウォーター2』などはまあこんな映画ですから、唐揚げにしてメチャウマの深海魚メヒカリってとこでしょうかね。


 特に『ディセント』の方はなかなか洗練された映画でした。

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