第13話 皇子達
姫さん達一行を見送った俺は北へと戻る。手には、姫さんと
今頃、皇国の都では、
都での争乱は魔法陣に悪影響を与えかねない。最悪、軍勢がぶつかり合うにしても、少しでも都から離れた地点に誘導しなけりゃならない。
厄介なのは、単純に西戎対皇子達とはいかないってとこだ。
血統を重視する皇国では、皇子の数も多い。皇子同士で合従連合を繰り返して派閥を作っている。
有力な派閥は三つ。まずは、第一皇子と第三皇子の同腹兄弟の派閥。長子の派閥だけあって、朝廷内でも支持者が多い。
ただ、この兄弟の実母は身分が低く、実家の後押しに不安が残る。実家の影響力がない分、貴族達の支持を集めやすいところもある。
次は第五皇子の派閥。彼は実母の実家が大きな軍閥を率いており、軍の支持が多い。
その次に位置するのが第二皇子の派閥。彼は文官が主な支持者だ。ただ彼の実母は東の王国の姫であるために、後継者よりも、次世代の宰相の座が相応しいと自他共に認めている。彼の支持を得たものが、皇太子レースで優位になるとも言われている。
その他、彼らの派閥に入れてもらえない皇子達がいくつかの派閥を形成している。
これらの派閥が上手くバランスをとってきたのだが、ここに西戎の派閥が入り込み、いろいろかき回していたらしい。
お陰で派閥間の仲が険悪になって来ているんだ。
かなり、きな臭い事が分かるだろう。だが、あれだけ大騒ぎして都から逃げてきた俺は、当然すんなりと皇国へと戻れるはずもない。どうするのか。また、関所破りをしてもいいのだが、下手に刺激して思わぬところで暴発するのは防ぎたい。出来ればコッソリと皇子達に連絡を取って、穏便に次の
俺だって、好きであれこれぶん殴っているわけじゃ無いんだぜ?
実は皇子の中には皇太子レースの放棄を宣言して、地方に小さな領地をもらうのがいる。
地方の領地といっても、人も住めない辺境を開拓していかねばならない土地になる。当然、領地は国境にある。
俺は姫さんの弟である第十二皇子の領地へと向かうの事にしたのだ。
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