Interlude#5

LIVE REPORT(検察側の躍動)

DESPERADON★QUIXOTE

5th ALBUM『GO! GO! STRIP!!』


01. Dive to Odiver

02. Queen's Battleship "Go"

03. Beat Burn

04. Wave Of Rockn' Roll

05. Makuhari Message

06. Kujira-nya

07. TIDAL WAVE

08. Hydroller

09. RIOT

10. Break Beats

11. Rescue Chat

12. Prison Break



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 ☆ライブレポート(検察側の躍動)☆


 

 東京都オダイバア区『レインベイ・ブリッジ』で発生した暴動を止めるべく、現場へ駆けつけた警察&検察官チーム。

 事件の犯人を『デスペラードン・キホーテ』の三名と断定したはいいものの、肝心の一行には、船で太平洋に逃げられてしまうという事態となった――。

 


「ちくしょう! なんてこったい!」

「あーやってらんねー!」

「国外に逃げられたら厄介だな……法律が違うから手続きがいろいろとめんどくさくなっちまう!」

「追跡チームが無能すぎて追跡が間に合わねぇ! これだからゆとりは!」

「くそっ、あいつらは一体どこへ逃げるつもりなんだ!?」







「イギリス、だな」








 警官たちが慌てふためく中、後方に立つワインレッドスーツの男が冷静に口を開いた。


「お、折田検事局長……!」

「お、お疲れ様です!」

「お待ちしておりました!」



「ロック狂いな私の娘が行く場所なんて、ロックの聖地であるイギリス以外にありえん」


 警官たちの群れを破って現れたのは、奈緒の実の父親である折田おりた六誤郎むつごろう(56)であった。(詳しくは第29話をご参照ください)

 犯罪者となった娘のバンドを検挙するべく、今日も現場に駆け付けた次第である。



「いますぐにジェット機を手配チャーターしろ。私は今からイギリスへ向かう」


 奈緒たちの逃亡先を予見し、先回りを試みる折田。

 その執念は国境すらも軽々と越えようとしていた。



「はっ! かしこまりました!」

「な、なんという行動力……! さすがです!」

「おい! 誰かパスポート持ってこいや!」







「あと、楽器も用意しろ」






「は……?」

「え……?」

「いま、なんとおっしゃいました?」



「んん? 聞こえなかったのか? もしかして、お前たちの鼓膜の垢を全てほじりださないと私の言語メッセージはお前たちの心までは響いてくれないのか? 私は、『楽器を用意しろ』と言ったのだ」



「が、楽器ですか?」

「大変失礼いたしました!」

「か、かまいませんが……一体何の楽器を?」






「ヴァイオリンだ。世界最強の弦楽器――ヴァイオリンを用意しろ」




「ヴァイオリン……?」

「かしこまりました!」

「おい! 誰か楽器屋に電話しろ!」




「……念のために言っておくが、無論、只のヴァイオリンじゃない。私が求めるのは、世界最高峰の最高級ヴァイオリン『ストラディヴァイアサン』だ。『ストラディヴァイアサン』を我がジェット機に積んでおけ」



「ストラディヴァイアサン!?」

「そんなばかな!?」

「ス、ストラディヴァイアサンって……あの数億円の高級楽器ですか……?」




「ああそうだ! 現金が足りなければこいつで払っとけ!」


 金色のクレジットカードを部下に投げつける折田。



「ひぃっ! かしこまりましたあっ!」

「かしこまりました!(なあなあ、このカードでついでにCD買っちまおうぜ!)」

「(ばか! やめとけ!)」








「待ってろよ、奈緒。私がじかに裁きを下してやるからな……!」





                           END.



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