Interlude#4

LIVE REPORT(エリィの後日談)

DESPERADON★QUIXOTE(featuring DJ AGEHA)

4th ALBUM『AIRFORCE ATLANTICA 』


01. Mouth to House

02. Disc Jorker's Majician

03. Majic Number "Black Arm"

04. Majic Number "Transportation"

05. Majic Number "Electronica"

06. Acoustic×Electronica

07. Gibson Atlantis

08. Last Number "Elotic Ero Eroth Elec-trinity Chaotic Chaos"

09. Shaining Lady , Shaining Baby

10. FRIENDSHIP TOMAHAWK

11. from the Otherside


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☆ライブレポート(エリィの後日談)☆


 警察の追跡を免れ、地下からの脱走に成功したエリィは、一時的に行動をともにした奈緒たちへ別れを告げた。

 地下でのライブをきっかけにミュージシャンとしての自覚が芽生え、『デスペラードン・キホーテ』の臨時マネジャーを辞すことにしたのである。

 そして後日、本来自らが所属する『クロコダイル・ティアーズ』の活動に復帰することにしたのであった――。




           


 CROCODILE TEARS

  New Single『Butterfly Effect』



『♪お肌の大敵~紫外線をシャット☆アウトするブランニュー清涼スプレー『バタフライ・エフェクト』今なら30パーセンテージオフ~、数量に限りがあるけれど~安いよ・安いよ~♪』


 とある商店街の広場で歌う黒幸田。

 その周りには、元気にドラムを叩く有間(65)と、笑顔でギターを鳴らすエリィ――

 そして、慣れないベースを一生懸命に弾くアゲハの姿があった。


「いらっしゃいませぇ~!」



 指揮神アゲハ(12)を新メンバーに迎えた『クロコダイル・ティアーズ』は、四人編成の商業エレクトロポップバンドへと生まれ変わっていた。

 ショッピングモール経営の傍らで参加するアゲハの知識を活かし、高級ブランドグッズだけでなく、激安の大衆服や日用品の広告宣伝事業にも活動の幅を広げた。

 まずはその健全性をアピールするため、都内のシャッター商店街の復興支援ライブを精力的に行っている次第である。


『♪~~』

 歌が区切りを迎えると、エリィのギターソロが始まった。

 アゲハの黒い人脈によって不法入国の罪を免れた彼女のパフォーマンスは自由に溢れている。

 年齢国籍問わず、持つべきものは友であった。


「いらっしゃいませぇ~!」

 間奏に合わせてシャウトを挟むアゲハ。

 ベース演奏はへたっぴだが、その声はとても明るい。



 集まるオバチャンズ。

「なんやこの人ら」

「ようわからんが、化粧品のCMソングらしいで」

「ほうかい。ほんまにようわからんな」

「まあ、がんばりや~」


 ……主婦層からの人気はないが、商店街は賑わいを取り戻しつつあった。

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