第16話補足

 「天才美少女カクヨの日常」ですが、だいたいの話の出だしと終わりについて、手を抜いていると思われるかもしれません。まぁその面は否定しません。

 ところで、星新一の「ノックの音が」という著作はご存知でしょうか。これは収録されている話が(たぶん)すべて「ノックの音が」からはじまるものです。まぁそういう感じのものです。

 それをすこしだけ意識して、出だしと終わりは、書くさいの制約として、そういうものというのを意識しています。


 それともう一つ。出だしでカクヨがだいたいこういう行動をしてます:

   立ち上がり伸びでもするように精一杯体を伸ばし、腕を組んで訪ねた。


まぁ、ここで肘を張ってという方向も考えはしたのですが、そっちはカクヨの知性から考えて、「ないな」とおもいやめました。カクヨの場合、「精一杯体を伸ばし」というのは、クヨムとの身長の差によるものです。

 さて、肘を張る場合も体を伸ばすのも、誰かとの会話などをしている際に見たことがあるとか、やったことがあるというかたもおおいとおもいます。やったことがあるかたも、おそらくそれは意識していなかったのではないかとおもいます。それらの、ジェスチャー(?)にはなにか意味があるのでしょうか?

 実は意味があります。無意識であったとしても、意味があります。それは、「体を大きくみせよう」というものです。体を大きく見せることにどういう意味があるのでしょうか? 相手に対して優位に立とうというものです。無意識であっても、そういう意味があります。さて、体を大きく見せることによって相手に対して優位に立とうという行動はどこからきているのでしょうか? いうまでもなく、進化の過程で獲得した行動です。人間以外の動物にも結構見ることができる行動です。

 さて、そういう行動が残っている人間という種は、どこまで人間なのでしょうか?

 人間についての根本的な疑問がここにあります。

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