第4話 検証2:評価点よりも評価人数が重要
前回、「週間評価平均はランキングと相関がない」との主張をいたしましたが、ここから解釈を拡大して、さらに一つの仮説を立ててみます。
まず、「評価平均点がランキングに無関係である(相関がない)」という命題が真ならば、ランキングにおいて、運営様が「☆1評価と☆3評価を、ある程度同一のものとして扱う」という方針を取っていると推測されます。
理由は次の通りです。
すこし横暴な理論になりますが、仮に☆1評価と☆3評価の間で大きな格差が生じるよう、運営様がランキングシステムを設計したと致します。すると、必然的に評価平均点の高い作品か、あるいは評価総合点の高い作品が上位に来るはずでございます。さもないと、☆3評価に重きを置いた意味がないからです。
また、前回も申し上げましたように、☆評価の基準というものは、読者によって様々なのでございます。つまり、読者Aに読んでもらえば☆3の作品でも、読者Bに読んでもらった場合☆1になるといったことが、頻繁に起こっていると考えられるのです。
こんな不確かなものを面白さの基準としていては、公平なランキングを作ることは難しいとわたくしは考えます。
そこで提案したいのが「評価人数」でございます。
「読者が☆をいくつ入れるか」ではなく「何人の読者が☆を入れたのか」に重きを置く考え方です。
個人的に、評価人数こそカクヨムランキングで最も重要なパラメータであると、私は考えております。
理由を説明いたします上で、まず皆様に見ていただきたいデータがございます。なお、データ収集の条件は前回と同様です。
(上からランキングの高い順に)
週間評価点 週間評価人数
19 7
15 5
9 7
9 4
13 6
13 6
12 6
10 4
9 3
12 4
8 5
7 4
6 3
9 4
4 3
6 2
9 3
6 2
6 2
5 2
6 2
4 2
4 3
5 2
7 4
4 2
4 2
5 2
5 2
3 2
2 2
6 2
3 2
3 1
3 1
2 1
3 1
3 1
1 1
3 1
これだけだと分かりづらいですね。
同じ評価人数、あるいは評価点ごとにまとめてみましょう。
(順番にそぐわないデータには*印を付けております)
◇評価人数別
評価人数7 評価人数6 評価人数5
19(点) 13 15
9 13 8
12
評価人数4 評価人数3 評価人数2
9* 9 6
10* 6 6
12* 4 6
7 9* 5*
9* 4 6
7 4*
5
評価人数1 4
3 4
3 5*
2* 5*
3 3
3 2
1 6*
3* 3*
◇評価点別
19点 15点 13点 12点 10点
7(人) 5 6 6 4
6 4
9点 8点 7点 6点 5点
7 5 4 3 2
4 4 2 2
3* 2 2
4* 2 2
3 2
2
4点 3点 2点 1点
3 2 2 1
2 2 1
3* 1
2 1
2 1
1
1
と、このようになりました。わたくしも、並べ終えた後にビックリしました。もう少しブレが出るかなと考えていたのですが、予想以上です。
上記の結果から、評価人数別に「評価点でソート」した場合よりも、評価点数ごとに「評価人数でソート」した場合の方が、おかしなデータがはるかに少なくなることが分かりました。
これは、評価点よりも評価人数の方が、ランキングでは重要であることを示しています。
以上から、わたくしは「ランキングでは評価点よりも評価人数が重要である」と考えます。
ただ、これだけでは説明のつかないことも、まだまだ沢山ございます。*マークの付いているデータなどもその一つです。今後は、それらについてより深く考察していきたいと思っております。
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