3#カラスのジョイ、『風船割り道』への第一歩
若カラスのジョイは、それからというもの拙者は空に風船が飛んでいると嘴や爪でその風船を割っていた。
最初の目的は、割った風船はカラスのジョイが新たに営巣するのに使うからだ。
しかし、ジョイは割った風船を見つけてるのが大変だ。落ちたのが川の上だったり、ひっきりなしに車の通る道路の上だったり、線路の上にあったりして、拾うのに必死だった。
たまに他のカラスに奪われたりした。
ふうわり・・・
「?!」
ジョイは、空にいっぱい風船が飛んでいるのを見付けた。
「えいっ!!」
ジョイは、大空に風船のいっぱい舞う中に鋭い嘴を逆立てて突っ込んでいった。
ぱぁーん!!ぱぁーん!!ぱぁーん!!ぱぁーん!!ぱぁーん!!ぱぁーん!!ぱぁーん!!ぱぁーん!!ぱぁーん!!ぱぁーん!!ぱぁーん!!ぱぁーん!!ぱぁーん!!ぱぁーん!!ぱぁーん!!ぱぁーん!!
「わーい!!収拾がつかねぇーーー!!
大量割りコンボ快感!!」
カラスのジョイが『風船割り』に、目覚めた瞬間だった。
ある日、カラスのジョイは開店セールとか書いてある青い風船を見つけて嘴を近づけようした。
スコッ・・・
嘴が風船の表面をかすめた。
「逃がすもんか!!」
ジョイは慌てて嘴を風船の『へそ』をギュッとくわえた。
ぽんっ!!
風船の『へそ』の蓋がポンと取れた。
ぷしゅーーーーーー!!
「ぶぷぅーーーーっ!!ぶっ!ぶっ!ぶっ!ぷっ!」
いきなりドバッと風船の空気がカラスのジョイほ嘴から喉袋を通って気嚢に入ってきた。
ジョイは苦しくなった空中でもがいた。
「あーあーあーあー?」
しかも風船の空気・・・ヘリウムガスでジョイのカラスの鳴き声が変になった。もう訳わからなくなった。
やっと不時着したカラスのジョイ。
・・・ほっぺたと喉袋と肺は風船の空気で自分が逆に風船になったみたいで・・・
・・・拙者の口には空気を出し尽くして縮んだ風船・・・
・・・そうだ!逆にその空気を送りこんで逆襲しよう・・・!!
ぷぅ~っ!
カラスのジョイは何を思ったか、縮んだ風船にどんどん気嚢と喉袋に力を入れて吐息を送りこんだ。
その風船はどんどんどんどん膨らんだ。
・・・うぐっ!!少しでも気を緩めるとまた拙者に空気が入る・・・
また、ジョイは風船を空気を送りこむ。風船はどんどんどんどん大きく膨らむ。
その青いゴム風船は『へそ』まで空気が入り、まるで洋梨になっていた。
・・・まだ空気を送ろう・・・
カラスのジョイは、顔を真っ赤にして一生懸命息を入れたら、
いきなり・・・
ぱぁーーーーーーん!!!
・・・拙者は風船との空気合戦に勝った・・・!!
その時、カラスのジョイの母カラスに
「『へそ』から空気を入れて風船を膨らませるのよ。」
と言われたのを思い出した。
カラスのジョイは、風船の魅力に更に惹かれた。
まるで、風船への思いという『風船』が更に更に大きく大きく膨らむように・・・
カラスのジョイは、その後まだ膨らんでないゴム風船を拾ってきては息を入れて膨らませてみた。
「わあっ!」
ぷしゅーーーーーー!!ぶおおおおおーーーーーー!!しゅるしゅるしゅるしゅるしゅるしゅる!!
カラスのジョイがつい嘴から離して、風船から空気が出て吹っ飛んだのは発見だった。
膨らませて吹っ飛ばして、膨らませて吹っ飛ばして・・・を繰り返した。
そのうち、だんだん風船のゴムが伸びきってきて、その後膨らませてたらすぐ割れた。
「何やってるの?そこで?」
「ぎくっ!!」
通りすがりの他のカラスに、その風船遊びが見られてカラスのジョイは顔を青ざめた。
しかし、そのカラスも知るよしも無かった。
このカラスのジョイが後に、『風船割り道』を極めて、『風船割りのカリスマカラス』と呼ばれることを・・・
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