第8話 新たな仲間
広大な草原を歩いて、二匹がいる場所の近くに着いた。
「ここら辺だね。」
「ここら辺って言われても……いないよな?エリス。」
俺が尋ねると
「ですね。どこにいるんですか?」
そこにはただ広大な草原が広がってるだけだった。空を見上げてみるが晴天。何もない。
するとマサトは
「そこにいるよ。」
と当然の如く言った。
「え?いないだろ?」
「ですよね。いないですよ?」
『いるって。』
「いないって。」
「いないです。」
『いるってば。』
「いないじゃん。マサト。」
「さっきから君たちと喋っているよ。僕は喋ってない。」
「「…………え?」」
そうして二人して下を見ると、そこには
『よろしく〜〜。僕、スラリン。』
スライムがいた。
ちょっとまて。
スライム?スライムって水色で異世界では最弱のやつじゃね?そいつで決闘?無理無理。
「エリス、スライムってあのスライム?」
「そうですね……。スライム系Fランクの最弱と言われていますね。」
『失礼な。これでも強い方なんだよ?』
やっぱりか……。どうすんだよ。勝てねーんじゃね?このまま、あいつに負けて『話きいてる?聞いてないよね?聞いてよ?!』異世界で奴隷とかマジで嫌だぞ? パチーン!
「痛ったあ!」
思いっきりビンタされた、スライムに。
「なにすんだ、てめえ?!」
『君が話きいてくれないからじゃん?!』
「最弱だろ?!決闘も糞もまず勝負にすらならねえじゃねえか?!」
『失礼な?!これでも魔法をつかえるんだぞ!』
そう言うとスラリンは火の玉をボッっとだした。……それだけ?
「えっと…それだけ?」
『い、今は練習中だから💦 本当はもっと強いんだからね!』
お、終わった……。
「ま、まあ、まだもう一匹いますし、強いのかもしれませんよ!」
「そ、そうだな、そうだよな!」
そうやってエリスが俺を励ましていると、スラリンが
『あ!おーい、エッグラー!』
スラリンが俺らの背後に向かって声をかけたので期待して振り返る。するとそこには……
カニがいた。
『こんにちわ、スラリン。そんでこちらは?』
関西弁の。
「水系のFランクエネミークラブ……。魔法が苦手で素早さが遅い、この子も最弱と呼ばれる種類です……。」
俺の異世界人生
オワタ。
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