第5話 夢即終了

メルトに連れて行かれたのは大樹の近くにある大きな草地だった。


「メルトさん。ここって?」


「ここは、モンスター牧場だ。ここでモンスター同士を配合したり、預けたりできる。」


「配合ってなんですか?」


「えっとそれはのぅ……。おっと丁度いい。こっちに来なさい。」


メルトにそう言われついて行くとかまくらみたいな建物の中に入ろうとする魔物達がいた。


「あいつらは?」


「片方が植物系Fランクのエビルプラント、もう片方が虫系Eランクのパラサイトワームじゃ。ちなみにランクはF〜Sまであるぞい。」


なるほど。そう思いながら見ていると二匹が入っていったかまくらが光りだした。しばらくすると光が収まりそこには一つの卵だけが残っていた。


「これが配合と言って、二匹の命を合わせて一つの命を作ることじゃ。こうすることで、魔物はより強く、多くの魔法や技を使えるようになる。」


「凄いですね。」


さらに配合をすることによって、低いランクの魔物のレベルの限界値を上げることができるらしい。まあ、強いランクの魔物ほどレベルの限界値が高く、低いランクの魔物を使い続けるためには物凄い回数の配合を行わなければならないため、大体の人は強いランクの魔物が作れる組み合わせで配合していくらしい。


こうした話をしながら牧場を歩いていくと、一つの小屋に着いた。メルトは遠慮なくそこを入っていき、


「おーい。マサトはいるかー?」


そう叫ぶと


「ここにいるよ。」


「うぉっ?!」


まだ小屋の外にいた俺の背後に立っていた。

その男は服装はよくある布の服で俺と同じで中背中肉だったが、サラサラ系の茶髪でイケメンだった。まあ、俺には勝てんけどな。


「あ、ビックリさせちゃった?ごめんごめん。僕はマサト。君が魔物使いになりたいっていう凛君だよね?」


「えっと……まあそういうことになります。」


「その感じだとさっき聞かされたばっかりみたいだね。メルトさんはけっこうそういうことがおおいからね。」


マサトが苦笑いを浮かべた。


メルトの奴、最初から俺が魔物使いやる前提だったな。メルトの方を睨みつけるとメルトは知らんぷりをしていた。野郎…今度あいつの紅茶のカップの底抜いといてやる。火傷に苦しめられるが良い。


「なにっ?!」


こんなつまらないことを企てていたがメルトの叫び声で途切れた。このことはまた今度にしといてやる。そう思いながら、


「どうしたんですか?」


と聞くと


「それがのう……。儂の用意していた魔物を無理やり買収されたんじゃ。」


「はい?」


強くてニューゲームおわったんじゃね?

頭の中が真っ白になった。

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