第2話 はい?

「……は?」


こう言うのも仕方ないだろう。何故なら死んだはずの俺が目を覚まし、尚且つ光り輝く球体に包まれていたからだ。周りは木の幹が上まで伸びていて、その大きな樹の中に俺がいるらしい。


(なんで俺生きてるんだ……?てか、ここ何処だ?地球にこんなところがあったのか。)


「目が覚めましたか。」


すると、後ろから女の声が聞こえてきて振り返った。その女は、一言で言えば容姿端麗、翡翠色の目とストレートの髪をしていて、吸い込まれそうなほどの肌の白さだった。また、その容姿にとても合う白のワンピースを着ていて、何かこうガラス細工のような印象があった。


「えっと、大丈夫ですか?」


その女が上目遣いで見てきた。もちろん俺のほうが上にいて、服の隙間から胸の谷間が見え……とかいうほど谷間も無かった。


「ちょっと失礼なこと考えてませんか?」


「もし、胸が大きかったら、そそられるんだけどな。」


「聞こえてますよ。」


「え?」


女が頬を膨らませている。


「初対面で失礼な人です。これでも巷ではモテてるんですよ?」


「ごめんごめん。えっと、君は誰?」


「私はエリス。ハーフエルフです。」


「え?ハーフエルフ?」


ちょっと待て。


「耳がとんがってないからそう勘違いする人も多いんです。」


「待って待って。ハーフエルフってなんだ?てか、ここ何処だ?」


「大樹の国ですけど?」


この時、初めて俺が異世界に飛ばされたことを理解した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る