詩集「そんなことより、ため息を吐こう」

小さな詩人はトクトクと

小さな詩人はリンリンと

言葉を綴り紐でまとめる

いかにも強くない言葉だが

いかんせん柔らかくもない

小さな詩人はトクトクと

まとめた紐を町に貼る

いかにも迷惑だが

いかんせん迷惑でもない

小さな詩人はモゾモゾと

こっそり隠れ様子見る

いかにも誰かが見そうだが

いかんせん誰も見ない

大きな時代人はモクモクと

努力して流行りの形で夢を見る

いかにも卑怯だが

いかんせん真面目で正当だ

大きな時代人はキラキラと

人々から注目をされ続けている

いかにも戸惑っているが

いかんせん内心は喜んでいるに違いない

小さな詩人はブンブンと

大きな時代人達に

憎むようで自分を憎む

この時代に生まれたこと

この時代が選んだこと

小さな詩人はエンエンと

小さな詩人はクンクンと

少し悲しく　大きく辛く

夜を過ごす古いピエロ

もう、あの赤い鼻はトナカイに

白い顔は全ての恐怖に

素敵な玉乗りは民衆に

くれてあげたのさ

途方にも暮れたけど

小さな詩人はスンスンと

一人の少女が紐を見る

いかにも興味を持ってそうだが

いかんせん興味を持ってないだろう

小さな少女はワクワクと

小さな詩人を呼び起こす

いかにもドキドキしたが

いかんせん少女は詩人を見る

大きな時代人はクリクリと

小さな詩人と少女を見る

大きな時代人はルリルリと

小さな時代人の夢を見る

あぁ、自分もこんな時代があったな

羨ましいようで気づかないフリもしたい

小さな詩人はドイドイと

生まれた詩人の夢を見る

見てくれるという名の初心私はどうすればよいのか

羨ましいようで気づかないくらい

小さな少女はリンリンと

笑顔で綺麗な夢を与える

とっても素敵な詩だね

羨ましいようで誰も気づかないくらい声で