臨む空は海よりも遠い

世界の広さを知る度に、自分がちっぽけな存在だということを認識させられる。

井の中の蛙とはよく言ったもの。

世界の広さにおののき、その先へ踏み込むことを躊躇ためらわせる。

それが瞬きの間であっても、永き時であっても。

一歩先に垣間見えるのは、失意のどん底か、或いは新たな扉か。

予想以上の高さに怯え、立ち止まるしかないのかもしれない。

その畏れと同時に、もっと知りたくもなる。

不意を突いて、湧いて出るのは好奇心。

壁を越えることをやめたとしても、巨大すぎる世界に背を向けても、

ここで終わったら全てが無駄になることを知っているから。

――知りたい。その中に入りたい。

進む理由は、それだけでは駄目だろうか。


井の中の蛙大海を知らず。

小さな小さな世界だけの生き物。

されど空の青さを知る。

切り取られた空の深さと遠さを。

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