―時のきざはし―
一息ついた四人は広間の奥にある扉を開けた。目の前には金色の光に輝く『光』のオーブがあった。
ティアはオーブに歩み寄り、触れた。すると、辺りはまばゆい光に包まれ、オーブはなくなり、ティアのネックレスの球が6つになった。
「これで、いよいよ『時』のオーブのもとへ行ける」
歓喜する三人にフロルは横やりを入れた。
「でもさ、『時』のオーブは時空の狭間にあるんだろ。どうやってそんなとこ行くんだよ?」
フロルの言うことは最もだ。前にイルブリーゼの王様――じゃなくてシルフィローゼが言っていた。『時』のオーブは時空を作り出す力がある。そして、6つのオーブを集めた時青い鳥に導かれると。一体どういうことなのか……?
僕の頭の中に声が響く。
《――やあ、シュウようやく六つのオーブを集めたみたいだね》
「……ゼロ?」
《――たった今、時空の狭間への道は開かれた。城の屋上へ急ぐんだ》
ゼロに言われるまま、シュウ達は城の屋上へ向かった。そこには……特に変わったものは見当たらない。
「シュウ、どうしたんだよ、急に屋上へ急いで」
フロルは首をかしげてシュウを見つめた。
再びゼロがシュウに語りかける。
《――シュウ。ポポをティアの頭の上に》
「ポポ。ティアの頭の上に乗って」
シュウにそう言われたポポは、シュウの肩の上からパタパタ飛び立ち、ティアの頭の上にとまった。
「ポポちゃん? どうしたの急に?」
ティアは突然頭上に飛来してきたポポに驚く。
その時、彼女が身に着けていたネックレスとポポが光に包まれた。光はだんだんと大きくなって、そのまぶしさで四人は目をつぶる。やがてまばゆい光がおさまり、四人は目を開けた。そこには、渦巻く空間と途中で途切れている階段が現れていた。
《――これは……時のきざはし……》
ポポが声を漏らす。
「時の……きざはし……?」
《――この階段はおそらく……『時』のオーブが存在する時空の狭間へと繋がっています。行きましょう》
ポポはティアの頭から飛び立ち、渦巻く空間の中へ飛んでいく。四人はポポに続いて階段を上っていく。途切れていた階段は、ポポが飛んでいく後を追うように出現し渦巻く空間の中を続いている。不思議な階段をひたすら上へと上がっていくと、やがて階段は途切れ、その先には白い光に包まれているのが見えた。
シュウは光の向こうへと足を一歩踏み出した。
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