第3話
第五エデン都市『ジャパン』。
広大なアフリカ大陸の
そのジャパンの探知防衛圏内にあたるマラウィ湖へと男は旧式大型自動二輪を走らせていた。広大なアフリカの大地は今や全世界で見られるように死の大地と化している。草木も生えない広大な荒野と真っ直ぐに伸びた超電磁土瀝青がただそこには広がっているだけだ。
いや、正確に言うと―――。
「あれがそうか」
男は、唸る
男の眼鏡携帯端末が見つめる先、道路から少し逸れた場所には黒い影のような小さな粒が何かを囲んでいるように見えた。
男はすぐさま、携帯端末から
―――見つけたぜ。まずは俺が切り込む。
―――こちらも
―――たっぷり食わしてやるから、そこでいい子にしとけよ、アドカフリャ。
―――了解だ。俺まで喰うなよ、狼さん。
男――カインは、そう言って通信を切ると、すかさずハンドルを切って超電磁土瀝青の道路から逸れ、土と石の地面にタイヤを滑らせる。巻き上がった砂埃が一瞬にして吹き荒れ、大量の石と砂が中を舞った。突然のオフロードに黒獅子がむずがるように暴れる。カインはそれを巧みに宥めて、目標地点へと一直線に進む。
速度は急激に落ちる。舗装された道路では最高速度時速300km以上を叩き出すモンスターマシンだが、オフロードでは時速100kmを越えると途端に操作性が異常に悪くなる。しかも、砂地に小石が混じるような劣悪な環境だと砂地でタイヤが滑り、小石でハンドルが暴れる。そんな最悪な状況でもカインは、鼻歌でも歌うようにハンドルを片手で持ちながらアクセルを吹かし、右手で背中の得物を握った。
カインは得物を引き抜き、狙いもつけずに笑う。
―――銃声。
突如荒野に響き渡った音でそれらが一斉に振り返った。
一匹の
カインは、銃弾が防がれた事に一切躊躇わず、がしゃりと改造し整備した骨董品
カインのその姿を捉えた15体にも及ぶ
石と砂を巻き上げて金属がひしゃげる大きな音が鳴り響いた。
カインが急制動を掛けて、大型自動二輪が姿勢制御できずに吹き飛んだのだ。吹き飛び、転がりながらその筐体が
上を見上げれば、そこにカインが飛んでいた。
いつの間にか抜きはなった
「じゃ、派手にいこうか」
―――荒野に銃声と作られた獣達の叫びが響き渡った。
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