Dreamf-5 握られざる拳(A)

       1




「うん……。よし」

 円は自分の足を地面に着け立ち上がり、うなずく。

 ようやく動けるようになった。


 エネルギー切れを起こすとここまでスピリットという存在は脆くなってしまうものだと、このとき、円は学習した。


 そろそろ寝転がったり座ったりしていることにも疲れてきていたので、立ち上がるとそういうような疲労もどこかへと消えていった。


 背伸びをしてから「ふぅ」と小さく息を抜くと、とりあえず軽く歩きたくなった。


(歩くかなぁ。けど、じっとしてろって言われたような……)

 円の脳裏に颯爽とかけて消えていった恵里衣の後ろ姿が浮かび上がる。


「まぁ、いっか」

 艦内をさまようぐらいならば問題はないはずだ。怒られたら、などと考えてはどう動くこともできないので考えない。


 医務室からでるとちょっと人二人がギリギリすれ違えぐらいの薄暗い廊下が左右へと伸びており、医務室の出入り口のドアと同じような形の作りのドアが壁に並んでいる。


「ほんとに広いな」

 飛行船のなかだと言うのだからラウンジやブリッジなどがありそうだ。


 どちらを歩けばそこにたどり着くのか、もちろん分かる訳もなく、

(探検してる感覚でいっか)

 円は利き手である右の方へと足を進めた。

 歩いている途中で誰一人ともすれ違わない辺り、やはり先ほど感じ取ったビーストとの戦闘で手が離せない状況になっているのだろう。


 そんなことを考えながらしばらく歩いていると開けた場所があった。

 部屋の作りは少し大きめの喫茶店のようでカウンター席やテーブル席がいくらかおかれている。


 恐らくラウンジに入ったのだろう。

 先ほどの少し寂しい感じがする廊下とは違って明るい。

 廊下の方にでる壁以外の三方はガラス張りとなっており、電気をつけなくとも明るい。


「もう昼だったか」

 出入り口の上部に取り付けられた時計を見つけ、それをみやると針は一三時過ぎをさしていた。


(そろそろ人が集まるよな)

 小さく鼻で溜め息をはいて後頭部を掻いた。さすがにこんなところに私服の少年一人がいては浮き立つに決まっている。


「今度は向こう歩くか」

 円は身を翻して今度は逆方向に歩みを進め――

「あ……」


 後ろに振り返ってみるとそこにいたのは大柄な筋肉質な日系人と、細いが服の上からでも鍛え上げられているという事が分かる欧州系の人が二人。一方は恐らく円と大して年は変わらないだろうが、もう一方は恐らく一〇歳ほど年上だろう。一番後にいるのは三人とは違ってごく普通の容姿をしている日本人がいた。


「ん?」

「すいません……」

 かるく頭を下げて四人をかわして立ち去ろうとする円。

その時、四人の視線を感じた。


「君が一〇人目か」

「……ッ!」

 一〇人目。つまり円の事だ。呼ばれたのならば反応するしかない。

 しゃべりかけてきたのは大柄な日系人。


「そうです。だとしたらどうします?」

「そんな警戒するな。今から飯を食べるんだ。ちょっと話をしよう」

「話?」

「ああ」


 今度は円とさほど年も変わらない欧州人が罰の悪い顔をして溜め息をはいて話に割って入ってきた。


「ホントはコマンダーに奢ってもらうつもりだったんだがな?どうやらコマンドルームに籠もったらしい」

(奢るのが嫌なんだろ……)

「けど、今一〇人目のお前がそこにいたからちょうどいい話し相手見つけたって奴よ」

「そうですか」


 円とさほど年の変わらない青年の言うそんな事情など興味はない。が、それが彼らとの談話を拒否する理由にはならない。


「別にいいですよ、僕は」

「そうか。こちらにとっては貴重な機会だ。奢ってやる」

「あぁ、はい」

「リーダー!」

「なんだ、ケイス」


 円とリーダーとの会話に割って入ったのはまたしても年の変わらない青年だった。


「俺にも奢ってください」

「自分で払え」


 当然の答えである。

 それからラウンジでリーダーと呼ばれた大柄な男、本木大吾に簡単なパスタ定食を奢ってもらい、特別な内容の話をするわけでもなく、それぞれの自己紹介から始まって、その後は転校したばかりの学校でほかの生徒からされるような矢継ぎ早な質問攻めを受けた。

副隊長のケイス・レイリーに「抱きたい女は?」と聞かれたときは、さすがの円も返答に困った。


(まぁ、あえて言うなら間違いなく……)

 円の頭に浮かぶ少女は、間違いなく彼女である。




       2





 ――――――ッ!


「……?」

 その時、何かを感じ取った。友里の名前をどこかで大声で叫んで、呼んでいる。ような気がした。


「何だろ、さっきの」

 しかもそれっきりその感覚がしなくなったので気のせいであると思うようになってきた。


「ふぅ……」

 物影に隠れている友里は小さく溜め息をはく。

(円、まだ帰ってこないの?)

 空を見上げてどこかにいる円に問いかける。


「あ!」

「え?」

 突然声が聞こえ、友里はそちらに振り向く。

 そこには施設にすんでいる男の子であった。


「友里姉ちゃんみっけ!」

「あ、ああはは……」


 円の事を考えてすっかり忘れていたのだが、今は子供たちの隠れんぼにつきあっているところだったのだ。


「おかしいなぁ。前はここに隠れてたら見つかんなかったのに」

 隠れていた場所から出てきて素直に負けを認める友里。

「俺達の勝ちー!」


 と、嬉々として見つかった子供たちが集まる所へ走り駆けていった。その走っていく後を追っていく友里は、また空を見上げ、また円の顔を思い浮かべる。


(こんなに待たせてるんだから、ちょっと怒んないと)

 そんなことを思いながら友里はクスリと笑みを浮かべる。

「友里姉ちゃん笑ってる」

「え?」


 その時、友里は視線を一斉に浴びている事に気づく。隠れん坊にさんかしていた十数人ほどの子供達全員が友里をみている。


「えと……何?」

 笑顔を取り繕い首を傾げて訪ねる。

「彼氏の事考えてんだぞ、あれ」

「え、ええ?」


 彼氏などと言う概念、どこで覚えたのか。だが、これはその意味を知っての言葉だろう。

「友里お姉さん、彼氏さんいるの!?」

「ちょ、ちょっと待って? 私に彼氏いないって!」


 笑顔を取り繕うことができなくなってきた。こうなったときの小学生が一番怖い。事実無根な噂で、出所が小さくてもすぐに広まってしまうというのに、その噂の出所がこんな大勢では一瞬で手に負えないレベルにまで広まってしまう。


「うっそだぁ。友里ちゃんかわいいもん。彼氏さんいるよ!」

「かわいいからって彼氏できるとか関係ないから――」

「かわいいの分かってるんだ」

「なッ!?」

「かわいいの分かってるのに彼氏さんいないって変なの!」

「変じゃない! かわいいのは、みんなに言われてるから――!」

「やっぱり分かってるんだ!」

「…………」


 なぜか、怒りがこみ上げてきた。




      3




 本木達チーム・エイトとの談話をしてからほんのしばらくしてから、ラウンジを出た円は今度は反対方向にすすんでいた。恐らくスカイベースの廊下はスカイベースの外周をぐるりと囲うように作られて、その途中途中に小部屋やラウンジ、ブリッジと言った部屋ができているのだろう。逆方向と言ったが廊下をさらに進んでいったと言う方が正しい。


(にしても、おなじ景色が続くなぁ……。まぁ、テーマパークじゃないんだから当たり前なんだろうけど)


 歩く事がそろそろ時間の無駄ではないのかと、思い始めた頃、外を眺める事ができるガラス窓があるところにまで来た。


「恵里衣ちゃん?」

「ん、なッ!」

「あ……っ」


 しまったと、その時思った。

 窓から外を見る赤い髪の少女をみてつい声をかけてしまった。が、ここで恵里衣に会うのは分が悪い。じっとしてろと言われたのに、その言いつけを破ったのだから。


「何でここにいんのよ。じっとしとけって言ったじゃない!」

「いやだって、もう座るのも寝転がるのも疲れたから。動けるなら動きたかったんだよ」


 そんな、円の言い訳を聞いてしばらくかみつくような表情を浮かべながらうなるが、ちょっとしてから諦めたのか、呆れたのか、小さく溜め息をはいてまた窓から外を眺めた。


「そう。まぁ、それは同意するわね。私もおなじだし」

「……? 恵里衣ちゃん?」

「何」

「なんかあった?」

「なんも」

「そっか」


 何かあったのは、恵里衣の様子をみれば明らかだったが、それを言いたくないのなら無理に追求はしない。

 しばらく、円はそのまま恵里衣と同じように外を眺める。


「恵里衣ちゃんがここにいるって事はさ」

「…………」

 不意に話が思い浮かび、円は横にいる恵里衣に話しかけた。


「しっかりビースト倒してきたんだ」

「私、戦ってない」

「え?」

「吉宗に止められたのよ」

「あの人に? 何で?」

 恵里衣は背中を壁に預けてもたれ掛かる。


「私達が戦うのは別の奴だって」

「別の奴?」


 円は首を傾げる。その答えに純粋に呆れた恵里衣は大きく溜め息を吐いて壁から離れて円に顔を寄せる。


「アンタが残してきた二匹よ!」

「ぁ……。そうか、あの二匹か」

「全く。察しなさいよ。一人じゃだめだから二人で行って来いって言ってたのよ」

「そうなんだ。確かに、その通りだね」

「できれば、早めにこの事片づけたいんだけど」

「え?」

「片づけたいんだけど」

「素直に行くぞって言えばいいだろ」

「…………」


 さすがに少し生意気だったかもしれない。そんな円を恵里衣はしばらくじと目で睨みつけてきた。




      4




「もう行くんか。体は大丈夫なんか、円」

「まぁ、ちょっとぐらいなら」

「ちょっとぐらいってなぁ。お前戦いにいくんやろ。そないで大丈夫か」

「大丈夫よ」

 円と吉宗の会話に割って入る恵里衣。


「相手はビースト。スピリットがニ対二で張り合う羽目になるなんて有り得ないって、私達ぐらいには分かってるでしょ」

「それはそうやな。けど、一対二で挑んでボコボコにやられたスピリットがそこにおるやろ。念には念やウチのチームも同行させるで」

「いや、いらない」

「いらんのか。別にお前らが心配せんでも――」

「いらないって言ってるッ!!」


 恵里衣が必死になっている。なぜそんなにかたくなに拒むのか、円には理解できなかった。


「……そうか。恵里衣がそこまで言うんやったら、別に送りはせんけど。けど、こちらで危ない思ったらすぐに送るからな」

「…………」

 恵里衣の表情は変わらない。吉宗をじっと睨んだまま、拒んでいる。


(恵里衣ちゃん……)

 この恵里衣は様子がおかしい。何をみたのか、円に分かる訳もなかった。




      5




 殺気が立ち込めている。

 人は一人も見当たらない。恐らくSSCが手を打ったのだろう。とは云えども、境域の外へ出すことは出来ないのでおそらく戦闘領域外へと避難させたのだろう。


(この殺意……ッ)

(気づいたようね、向こうも)


 恵里衣と円がビーストの気配を察知したように、ビーストも円と恵里衣に気付いたのだろう。殺気が、どんどん近づいてきている。

 円の脳裏に、二体のビーストとの結末が浮かび上がる。


「グッ……!」

 硬く握り拳を作り、歯を食いしばり、あふれ出てくる恐怖心を抑え込む。戦う前からこの様では間違いなく今度こそ円自身が消滅する。


「何ビクついてるのよ」

「……ッ」

 トンッと肩を恵里衣に叩かれ意識が引き戻された。


「大丈夫よ。今度は一対二じゃないから。私も並んで戦うから、負けないわよ。絶対」

「そうか。そうだね。今度こそは負けはしない。大丈夫」

「勝って、アンタは友里のところに帰ってあげなさい。待ってくれてるから」

「え?」

「待たせてるから、彼女」

「そっか。早く迎えに行かないと――ッ」

 と、恵里衣と円の話が弾み駆けたとき上空に光が現れ渦巻いた。


「……ッ!?」

「こいつだッ」

「そんなッ。何で……」

「こいつが、ビーストを復活させたんだ!」


 どの色ともとれない混沌の色をした光は小さな銀河の形を作る。そして、その銀河の中心から光の柱が地面に差される。

 光から聞こえるうなり声。

 その柱のなかからニ体のビーストが現れた。


「えッ!?」

「こいつら――ッ!」


 恐らく円が負けたニ体のビーストに間違いはない。だが、その風貌は前回とまた変わっている禍々しく、眼孔は血を求めているように赤く光り、体の各部位から発せられていた光りはさらに強く輝き、まるでオーラをまとっているように見える。


「また強くなったのか」

 肌に刺さるプレッシャーは並みの精神力では意識を保つことすら出来ないだろう。


 すでに、円は足を一歩踏み出しづらくなっている。

 恵里衣も、表情は一変とも変わってないが、ニ体のビーストを凝視したまま動きだそうとしない。明らかに警戒している。


 戦いにおいて足を踏み出すという行為はすなわち開戦の合図。

 それを、こちら側から行えない。

 吠え、哮り、そしてビーストが先に仕掛けてきた。

 不意に、ニ体のビーストはスピリットが放つような光刃を撃ち放ってきたのだ。


「ナニッ!?」

「チィッ!」


 それも、円や恵里衣が放つ物よりも威力は強力で、またそれを限り無く撃ち続けてくる。

 撃ち出される光刃をはじき飛ばし、バシンッバシンッと金属が砕ける音と共に火花が散るも、それが絶えない。


 ビーストが放っている威力の光刃。

 スピリットが放てば十数発でエネルギーの限界が訪れる。

 だが、すでにその数の攻撃をはじき飛ばしているというのに、一向に手を緩めない。


「クッソッ、キリがない……ッ」

 とっさに円は恵里衣の腕を掴んで強く引く。


「ナッ!? 円、何をッ!?」

「今から五秒!」

「ハァッ!?」

「強いのを一撃!」

「……ッ! ったく、指図するんじゃないのよ!」


 これだけで誰しも十分察することが出来る。

 恵里衣を狙い撃っていたビーストは狙いを変え、今度は二体が恵里衣の盾となっている円に攻撃を集中させてきた。


「ハッ!」

 その攻撃を繰り出される前に円が咄嗟に手を突き出し、光のシールドを作り出した。


 光刃はそのシールドに阻まれ、散り飛ぶ。

 その後ろで恵里衣は刀を実体化させ光を溜め込んでいる。

 さすがに必殺技を打ち出すのに五秒で準備するのは無茶である、が、円のシールドも五秒以上保つことが出来ない。


「クッ!」

 ビーストの攻撃を受け続けて、シールドの光が揺らぎ始めた。


「3――!」

 後ろで恵里衣がカウントを始めたころ、

 円のシールドにヒビの様な割れ目が見え始めた。


「2――!」

 ビーストの攻撃はそれでも尚止まない。

 ヒビが徐々に大きくなっていき、それは、シールドの限界を報せる。


「1――!」

 次のカウントが行われると同時、


「ゼロッ!」

 広がっていたヒビがついに両端にまで達した。

 時、そこを境目にシールドが砕けた。


「クッ!」

 ビシリッとシールドを発していた手に、一瞬痛みが走る。

 力が強引に打ち消された。力そのものが受けたダメージを、円が引き受けたからだ。

 その痛みに思わず蹲る。

 瞬間、


「ハアッ!!」

 恵里衣が刀を強く、大きく横一閃に薙いだ。

 円の体の上に赤い残光が引かれると同時、巨大な赤い光刃が空を裂き走る。


 ビーストが打ち放つ光刃らをものともせず突き進む恵里衣の光刃は瞬間よりも速く、二体のビーストに直撃する。


 二体のビーストの悲鳴。

 だが、ビーストが消滅することは無い。

 大きく吹っ飛ばされ、地面を転がっていく。ただそれだけであった。


「今ので無傷!?」

 確かに、恵里衣の攻撃はビーストに直撃した。

 手応えも、確かにあった。だが、ビーストに決定的なダメージを与えるには威力が足りなかったようだ。


「チッ……!」

 実際に対峙したことのある円にとって、この結果は予測の範囲内だったがこうもその通りに当たってしまうと、思わず舌打ちしてしまう。


「まだだッ!」

 気持ちの準備をしていただけに次取るべき行動への移行が早かった。

 ニ体が立ち上がり完全に体勢を整えてしまう前に、追い打ちをかける。


「……ッ!」

 足に力をいれ、一っ飛びでビーストの懐に入り込む。

「ハッ!」


 四足のビーストへの攻撃は加えづらい。

 エネルギーをそのままにダメージを与えるならば二足のビーストの方がいい。

 拳を握り、ビーストへと攻撃を加え――


 ――――ッ!


「なッ!?」

 直接響く誰かの悲鳴。

 その瞬間なぜかまたいつものように手のひらを広げそのまま掌底を繰り出した。


 当然、与えるダメージは低いので少々怯みはするもののこれも致命的なダメージを与えられない。


(しまった――ッ!)

 また、そのすぐ右からはもう一体のビーストが体勢を整え、円を角で突き刺そうと突進してきていた。


「クッ! ……ッ!」

 逃げようとした刹那、腕をビーストに掴まれ逃げられくなった

「こいつッ!」


 円の腕を掴むビースト。

 その目は悪意にゆがんでいるように、錯覚してしまった。

 振り払う時間などない。

 間違いなくこの攻撃を受ける。


「ヤベェッ!」

 すぐさま肉体の硬化にエネルギーを使わなければならない。

 だが、それすらも間に合わない。


「目の前に集中しろ!」

「ッ!?」


 恵里衣の声が耳に入った瞬間、スイッチが切り替わった。

 すぐさま自分の腕を掴むビーストの腕を掴み、身動きを制限する。


「ハァッ!」

 円がいま対峙しているビーストへと集中を向けた瞬間、赤い一閃がもう一体のビーストを切り裂く。


「ハッ!」

 円は、対峙しているビーストの顎先に向けて発勁を繰り出し大きくのけぞらせ、


「ゼアッ!」

 すぐさま無防備となった胸部へと掌底を繰り出し、ビーストを突き放す。


 胸部へ掌底を繰り出した時、ビーストから光りが飛び散った。そのためか、若干疲労シているようにも見えた。

「円!」

 スタッと円と背中合わせになるように恵里衣が立つ。


「何でさっき思いっきり強いの入れなかったの」

「いや、分からない。ごめん」

「まぁいい。アンタ一人で突っ込んじゃ、二人で来ている意味がない。アンタは二本足をねらいなさい。私はもう一体やるから」

「ああ。分かってる」

 二人それぞれの視界に映るのは一体のビースト。


(今の感覚は……なんだ?)

 頭に直接響いた悲鳴。それは獣のそれとは違う。

(誰だ)

 それは確かに、人間のそれとよく似ていた。

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