何日目なんだろ〔1〕

 アーーーーーーーーッ!!!! 痛すぎ。痛みがある内は大丈夫って言うけど……こりゃタイムスリップしてるな。

 目の前に広がっていた雪原が無くなり、室内になってる。


 移動したくても、移動出来ない。乗ってるもの自体は移動してる。特急に戻って来たのかな。足、痛い。本当にタイムスリップしたのか確認したいけど移動が出来ないからな……。


 座席があるから、とりあえず列車(だと思う)。でも、窓からは空しか見えない。通路に倒れてる所為だな。痛い。


 横の座席を見た。

 あ、松葉杖じゃん。痛い。座席には誰もいない。

 座席は見覚えのある50年前のもの。古いけど、上品な感じ。


 いや、松葉杖あるのになんで使ってないんだよ。…………よしっ! 使おう。あー痛いなぁ。

 気づいたぞ! 全身が痛い! 腕は使えるけど痛い。破片が当たりまくってるな。右側に弾着したから右半身の傷が深いな。



 なんとか松葉杖を使って立ち上がった。痛い。

 いや、確認したけど酷いな。

 右膝から下、無し。右腕、破片が大きいのが3つ、小さいの沢山。顔、痛い。血だらけ。胴体部分、大きいのが5つ、小さいの沢山。その他、小さい破片が沢山。


 鏡見たいけど、それより先に列車を止めて、病院に行こう。痛い。ここ何号車かな?

 てか、何時なんだよ。俺が行った後なのか、行く前なのか。痛い。



 3号車か……。これは、先頭車に行ったほうが近いな。痛い。3号車? 俺があの時は……確か、4か、5号車にいたな。痛い。つまり…………!

 背後を振り返った。


 もし、俺があっちに行く前なら……あの血だらけの男がいるはず。痛い。いや、まて、それで俺が行ったらその男に俺がなっちゃう感じか。

 ん? あの血だらけの男が俺?


 トイレは4号車にある。俺がトイレにきた時点では誰もいなかった。痛い。出てきたら、倒れてた。

 俺がトイレに行った時に待ち伏せしておけば、あの男に会える! 痛いなぁ。


 待ち伏せしてみた。



 お、俺がトイレに来た。痛い。いや、これは助けを求めた方がいいな。痛い、いや、待とう。


 あー、痛いなぁ。

 あー、頭が…………。



 あれ⁉︎ 寝てた? 気絶? 俺はどうなった? 痛い! あ、男が倒れてる。

 てことは、あれは俺じゃないな。

 話しかけてみた。痛い。


「大丈夫か?」

「君も俺と変わらないな……」

「何時からきた?」

「1942年……9月……」

 ファッ⁉︎

「その前は? 何処から?」

「旅順……1904年」

 なんかあったかな? しかも、何処?


「とりあえず、こっちに来い」

 痛いなぁ。

 なんとか、引きずって4号車に連れ込む。座席に隠れるように座った。


「手帳を持ってるか?」

「ああ、持っているが……血で汚れているぞ」

 この手帳は、同じ物だな俺が持ってるのと。


 さて、こっから、どうしたものかな。

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