103日目 フゥ〜ラァーグゥー

 再び町に戻ってきた。ある程度、戦闘が落ち着いたからだと思う。


 教会の前に見慣れない軍服の人達がいる。でも、敵としては何度も見た軍服だから……ドイツ兵か。

 捕虜かな。


 1人のドイツ兵が顔を上げた。俺と目が合ってしまった。思わずときめいてしまっ……いやいや。

 イケメンだなぁ。


 いや、おかしい。明らかに敗残の兵士の顔じゃないぞ。俺を見て顔つきが、明らかに変わったんだけど。

「々○・+¥♪ッ」

 なんか言った。


 すると、そのドイツ兵に政治将校らしきおじさんが歩いてきた。

「なんと言った」

「々○・+€¥♪#°ッ」

「なんだと? 裏切り者……?」


 え⁉︎ 俺の事ではないよね? ねっ!

「全員止まれ!」

 その場で作業していたり、談笑していた兵士達が停止した。俺も勿論。


「裏切り者がいる! 枢軸の人間だ!」

 周りがざわついた。

 ヤバイなこりゃ。日本人ってバレたら終わるかもな。

 彼が耳打ちした。

「枢軸ってなんだ?」


「お前、スウジクって知ってるか?」

 別のやつからも聞かれた。多分、俺は字が書けるからそういうのも知ってるって思われたんだな。

 馬鹿すぎないか? いや、無知なのか? これは大丈夫そうだなぁ。


「なにっ、枢軸がわからないぃ⁉︎ ナチどもの仲間の事だ!」

 なんか微妙〜に違うような。

「将校どの! ここにいるドイツ人はそいつらのみです」

 政治将校がドイツ兵を睨んだ。

「貴様ぁ!」

 パァン


 騒動は政治将校のピストルで終わらなかった。それを皮切りに周りの兵士が銃を取って、ドイツ兵を撃ち始めた。

 ええ……。見てられねぇ……。


 けどさ、ソ連ってこんなに馬鹿なのかな?

 この時は日本も枢軸だと思うんだけどな。


 最大の敵は政治将校とドイツ兵、どっちなのか。ドイツ兵だな。政治将校も馬鹿だし。



 こんな風に考えてたからあんな風になるんだよなぁ。全く、この時の俺は馬鹿だ。



 でも、ソ連兵には俺がなに人かわからなくても、ドイツ兵には多分、日本人として認識されてると思う。


 でも、大丈夫だろ。



 再び現る、完全なフラグ。こんなんだから、

しょうがないか。



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