70日目〔1〕手帳の謎がついに……?
わいはもうダメや。なんで急に訛りが酷くなったのかはわからないですが、疲れました。
大阪弁風だし、俺 九州男児だしっ!
関係ない。
たくさん殺して殺されて、俺たちは敵をボコボコにして、街に追い詰めた。街と反対の方ではカチューシャと砲撃と戦車で敵が再びボコボコにされている。
運良く俺は生き残り、運良く街の方の戦闘に加わった。外では激戦になってるのかな?
こっちもだと思うけど……。
部隊が暇になったので近くの解放された小さな町に行ってみることにした。いや、部隊での用事があったからだよ。逃げたんじゃないよ。まじで。
その町は集積所になってた。でも服は少しどころか全然足りないと思う。寒いし、寒いし、寒いし。何人か凍傷で凍え死んでたし。
暫くの休みだな。お、教会か……。
その教会は戦いで屋根には穴が開き、ガラスは割れ、室内も汚れていた。でも原型を保っているところは凄い。れんが造りはつよいな。
いや、他のれんが造りの建物も崩れてたから、運が良いのか。
はいったら、神父がいた。年老いた神父だ。
あれ? ソ連ってこういうのに厳しかったような…………。
神父が俺に気づいた。
ん? なに?
ジェスチャーでなんか伝えてる。
喋れないのか? なになに? 書くものが欲しい?いや、なんか書きたいのか? わかんない。
指を指してる。
ん? ポケット? あぁ、手帳ね。はいはい。
…………え!? なんで知ってんの?
そんなことお構いなしにジェスチャーを続ける神父。
?……何かを書けと。はーいはい。
取り敢えず手帳になんか書いてみる。
「/&#〃¢*≫≧*○」
なんて言った?
頷く神父。
意味がわからないよ。
ジェスチャーでさらに書けと急かす神父。
あーはいはい。
「わかるか? /☆$○*\:」
⁉︎ わかったんだけど少し…………。気のせいか。さらに書けと急かす神父。勿論ジェスチャーでね。
書いてみる。
ん? もっと? わかったよ。
さらに書く。
もっと?
もっと書く。
まだ?
まだまだ書く。
めっちゃ?
めっちゃ書く……。
アーーーーッ、面倒い!!
「そろそろ解るようになったか?」
アーーーーッ、解るよっ!!!
「やはりな」
わけわかめ。
「大丈夫だ、まぁ 座りたまえよ」
言われるがまま座る俺氏。
「この戦争がどうなるか知っているだろう」
「え……、いや、あの…………」
「まずは話を聞くだけで良いよ」
なんでだ? ?? 質問の意味もわからんし。
「その手帳はね、もともと日本人から貰ったものなんだよ、帝政ロシアの時代にね」
帝政ロシア……ソ連の前のロシアか?
「外交官をやっていた彼はね、『世界はそのうち深い結びつきを得て平和な時代になる』と言っていたがそうはならなかった」
日本人って、え……日露戦争とかは? え⁉︎
「私はまぁ、故郷の教会に寄贈したんだよ、だってさ、手帳なんていっぱいあるし、折角ならずっと残しておきたいからな」
なんか、若いなこの爺さん。なんとなくね。
「そしたらそこの教会、実はロシア正教じゃなくてちょっと左の方にそれてて、変な魔術をかけたらしいんだよな」
「え、という……ことは……あのっ」
「言い忘れておったが手帳は持ってるやつしか翻訳効果ないから俺には、なに言ってもわからんぞ」
なんじゃそれ。て、待てよ。という事はこれって魔法???
「その時のはまぁ、科学である程度解明できるやつだったんだがな、俺がロシア正教の神に祈ったんだ、そうすると…………」
俺が召喚されたの?
「スターリンに会えた」
ファッ?
「と言っても夢だけど」
なんだよ、驚かせんな。
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