45日目 4人の脱走兵

ウェーイ。

俺は先日、逃走に成功しました♪


でもね、そこで簡単に逃げ切れるほどソ連軍は甘くなかったぜ! ていうか、自分の問題の方が大きいな。

それについては後から説明しよう。



川から上がったらさ、凄い寒かったんだよ。川に投げ出された時はアドレナリンが出てたせいなのか(アドレナリンがなんなのかわかんないけど)寒くなかった。


川から上がったら、寒かった。わかりやすく言うと、妙に寒い時期に水泳の授業があった時の10倍寒い感じかな?

……俺は説明ベタという事に気付いた。


とにかく寒くて、ろくに処置もしてもらえず、取り敢えず歩いた。そうしてるうちにも体温は奪われてたんだけど。


どうしていいかわかんないし。

そして、ようやく補給部隊の暖炉に当たることが出来た。なんとか、低体温症? とか、凍傷?とかにはならかった。

目覚めて数日で再び死にかける俺ってなんなんだよ……。


そしてその後は、さりげな〜く補給部隊として働いていた。


でも、あの時はすごかったな。川を渡る前の俺。無双してたしなぁ。でも、人殺したんだよな。



そして、ここにきて手帳が言っていた記憶の意味がわかった気がする。


それは、単語すら聞き取れなくなった事。

ロシア語をだいぶ前に微妙にわかるようになったんだけど、最近は全然わかんない。


つまり! 記憶とは、俺が覚えたロシア語の事なのだ! やばいじゃん。


そしてもう一つ記憶が示すものがある、それは手帳に書いてあった日記のことなのだ!

俺は初めから日記の内容なんて覚える気ないけど。


まぁ、そのうちロシア語はまた出来るようになるだろ。

なんか、話が逸れてるな。



俺には仲間が再び出来た。これで3代目だな。最初の彼が懐かしいな。


鉛色の空に彼の顔が浮かんでいる気がする。

勝手に殺してごめんな。生きてるかもしれないのに。



仲間を紹介しよう。

脱走を企てている少年兵A、同じく少年兵B、同じく隊長Cだ!

隊長は今までに2人出てきているのでCになっている。


言葉がわからないのになんで、仲間になれたかと言うと。それは俺が彼等が相談してるとこを見ちゃったから。だと思うよ。


適当に頷いてたらいつの間にか仲間になってた感じかな。


そして今日は、いきなりだけど作戦の決行日らしい。全然準備してなかったけど。

事がわかんないからね不便だわ。

もう暗くなりかけている。


「/&#+÷=^〆〆○*※*★♯¢∥:」

なんて?

わかんない顔をして伝える。すると、彼は街とは反対を指差した。列車が見える。

なるほど、あれで一気に逃亡を図るわけか。


「@/&.○□*≡°¢£::[⇔」

なるぽど、ぱしかに、なんと言ったか聞き取れませんでしたよ。


そして夜になるまで待った。隊長Cの先導で停車場にやってきた。たくさんの車輌があってとれがどれやら全くわからんけど、隊長Cはわかってるっぽい。


暗闇の中俺達4人はコソコソと列車に忍び寄った。

「□☀︎♭$€¢¥•*★」

ひそひそ声で何か言ったけど、どのみちわかんないから しゃべんなくていいですよ。


ガァーーーッ

扉が開いた。大きい引き戸だ。車輌は鉄と木でできてると思う。


少年兵Aが乗り込み、確認する。そのあと、俺、少年兵B、隊長の順に乗り込んだ。


座り心地は最悪な上に寒い。九州男児にはきついゼヨ。


ん? この感じ……。なんだ?

俺は再び違和感を感じていた。それは俺がタイムスリップした時と同じようなものだったと思う。。


でも、この時の俺は「これで現代に帰れるかもしれない」とは、全く思っていなかった。というか、忘れていた、この違和感を。





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