47日目 殺すのは敵だけではない

なんとか、街から離れられた。

そして俺達4人の脱走兵とその他が乗る汽車は街から数十kmの所ぐらいで停車した。


何処だろ? ここ。

隙間から外を見る。幾つか、これと似たような汽車が停車している。

寒い。うぅ〜、トイレ行きたいっ!

基本は今まで外でしていたが。


何処にあるのかな?

みんな、寝ている。俺は我慢する理由があるけど尿意には逆らわずにトイレに向かった。勿論汽車を出て。



戻って来たら誰もいなくなっていた。てか、結局外でしたけどね。意味なかった。


あれ? 俺の所為? ヤバい。

事態のヤバさヤバさ。俺は瞬時に理解できた。それは、ばれたら脱走兵がどうなるのか。


探しますよ、そりゃ。不安だし、仲間が欲しいし、寂しいし。



……………………見つけた。最悪な状態で。

いや、厳密には一歩手前だ。死ぬのが最悪だからね。

死んでなかった。捕まってた。


どの軍隊でも、憲兵はかなり厳しい。でもソ連のは別格だ。なにせ戦闘で敵に殺されるか、寒さで死ぬか、憲兵に殺されるか しか選択肢が無いと言われるほどだから。


「□○▽◆¢£%℃」

3人と憲兵数名が歩き出した。3人は拘束されている。俺は追いかけた。



そこには他にも沢山の兵士が集められていた。

しかも死体が山積みになってる。


数人の兵士が連れられて棒に縛り付けられた。縛り付けられた兵士は袋を被せられた。

そして、その棒の手前には銃を構えたソ連兵がいる。


バババァン バァン

縛り付けられた兵士の服が共産主義の赤に染まる。最悪だ。


という事はそのうち、彼らも……。

騒ぎが起こった。

どうやら誰かが逃げ出した……みたい、って彼奴らじゃん。


俺は彼等の脱走を援護しようとしたが。

ダダダダダッダダァン

する暇もなく彼等は死んだ。

あーあ。


「/&#@@○*☆€☆→☆☁︎●」

「/#/#^…」

ん? え⁉︎ こっちキタァァァーーーーッ!!!

逃げよう。



再び見っかった。

ダダダダダァン バァン バババァン

ヤバいねこりゃ。なんとか汽車の近くまで来たけど。

なんでばれたんだろう? やっぱり俺、田舎臭かったかな?(絶対に関係無い)


すると、汽車が走っていくのを見た俺のすぐ後ろの線路を。まだ、加速しきってはいない。

乗れるんじゃね?


何故かそんなの事を考えて、俺は走り出した。

「☆♪$+×>|^〆〒!」

ダダダァン バァン バァン


うおおおおぉぉぉぉぉーーーー!

…………よしっ。

なんとかしがみついて、俺は車内に入った。あいつらは追ってこない。


ふう、ふう、ふう〜。

コレで俺は生き残る事ができる。数多くの犠牲の上に。木と鉄で出来た車内は寒さを防ぐ事はせず、風が吹き込んでくる。

寒いけど、生き残る事が出来る!



と思っていました。この汽車、実はあそこに戻って行ってます。今の俺は凄いにやけててキモいし、気づいてないけど。


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