42日目 脱走兵(仮?)

疲れた。鏡があったから顔を見てみたら、目の下のクマが凄い事になってる。


味方と合流したはいいけど、銃撃戦に次ぐ突撃からのー白兵戦、って感じで凄い戦いになってる。


てか、ここは市街地というより工業団地って感じ。



バァン ドォン バババン ババン ダダダダン

いつになれば終わるんだろ。それに飯も食えてない。腹は減るわ弾は無いわ、まさに地獄。銃撃戦、砲撃戦。耳がおかしくなりそうだぜ。


そうだ、逃げよう。そうだよ、なんで最初からこうしてなかったんだ?


そうと決まれば……。

まずは、川を渡らないとな。この銃撃戦の隙を見て逃げよう。



……1時間経った。おい、隙なんて素人にわかるわけないじゃん。

いや、まだ隙がなかっただけかもな。


30分くらい経った。

ダダン バババン バァン バァン

「/#c##+*○!!!」

「「「ウラァァーァーーーーー!!」」」

全員が突撃する。1人を除いてね。

この隙に!

逆方向へ1人走る俺。


フゥゥ〜。なんとかばれずに逃げれたぞぉ。川に着いたはいいものの……。どうやって渡る?


待機中の味方に紛れて考える俺。でも、油断してた。ここなら敵に攻撃されないと思ってた。


ダダダダダダダァン パァン バババン

うおっ⁉︎ あぶねえ。って、ここ射線通ってる

じゃん!

他の味方と一緒に近くの塹壕に急いで潜る。すぐさま銃撃戦が開始された。

結局どこも、おんなじだな。

敵は広場から射撃してる。ちょうどここからは建物と建物の間に敵が見える。

やるっきゃねぇ。


敵の銃で敵兵を倒す。なんか笑えるような……。

バァン カシャ カシャン

撃っては薬莢を出す動作を繰り返す。けどね3回目でそれも終わった。


カシャ カシャ

あれ? 嘘、もう終わり? これは…………。

やはり、逃げるしかないっ!


凄い自然と俺は塹壕を逃げた。さも、命令されたように。



船着き場に着いた。けど船が無い。向こう岸にはあるんだけどね。

いや〜、自分でもいい演技だったと思うけど

なぁ〜。……………………はぁ〜。


ヒュゥーーーー ………… ガスッン

うお!? 鉄の塊が落ちてきた。って、砲弾だったら死んでたぞ、この距離。



また、待った。今度は、敵からある程度 距離があったけど、砲撃は相変わらずです。


何艘かこっちに向かって来てる。

ヒュゥーーーー…………ドォォーン

あ、沈んだ……。

ダダダダダン バァン

敵が、船を銃撃している。砲撃は俺の力ではどうする事も出来ない。

けど、敵兵なら殺せる。


やぁらせて、たぁまるかぁーーーっ!

何故か逃げる手段を奪われるとなると、命を投げ出してもいいらしいな、この時の俺は。命を守る為に逃げようとしてんのに。馬鹿ですね。


すぐさま死体から銃をとった。そこら辺の死体を漁りまくって、武器をゲットした。


俺は唯一、船着き場に射撃を加えている敵を

駆逐する為に、戦闘を開始した。


俺は銃を使うのは下手だ。だから、ギリギリまで近づいて手榴弾を投げた。しばらくは沈黙していたけどすぐに射撃を再開した。


だから、また手榴弾を投げた。またしばらくは沈黙したけど、今度は敵兵が俺を駆逐しにやって来た。3人だな。


すぐに俺は場所を変えて、敵が通るであろう塹壕で構えた。


驚く事に敵兵は塹壕をクリアリングせずに飛び越えた。だから俺は、最後尾の敵兵が 塹壕を飛び越え様としたところで足を掴んで引っ張った。

落ちてきた敵兵を刺し殺した。もうナイフを使うのもお手の物だな。


残る2人は、後ろが消えた事に気付いた。だけど、遮蔽物に隠れても敵が予想した俺の位置と本当にいる場所が違う。これなら銃が下手な俺でも大丈夫!


ダダダダダダダダダンッ

1人は死んで、もう1人は負傷した。殺しに行ったら自殺してた。捕虜にされるのを嫌ったのかな?


そろそろ船がつきそうだ。

ついでに、もう一個、敵に手榴弾を投げた。俺は全速力で船着き場に行った。



達成感に浸ってる暇は無いな。船に乗らねば。まずは荷物下ろしの手伝い。

かなり、自然にまぎれこめてるな。この調子なら。いける!


よし、下ろす作業しゅーりょー。そして、自然に船に乗り込む。

小さくは無いけど、大きいわけでも無い船だな。



あと少し、あと少し、あと少し、あと少し。

あたるな、あたるな、あたるな、あたるな。

バレんな、バレんな、バレんな、バレんな。

そんな祈りが通じたのか、砲弾は当たらず、脱走がバレる事もなく、あとほんの30秒くらいで向こう岸に着くってなった時。


ヒュゥーーーー………………

あたるな、あたるな、あたるな、あたるな!

この時代の人間でもなく破産した俺の願いをこの時代の神が聞いてくれるはずもなく。


ドォォーン

勢いよく水中に飛ばされた。俺は泳ぎは

苦手……なワケ無いだろう!

うおおおおおーー!


水面に顔を出した。そして、県大会クラスの泳ぎでそのまま向こう岸にたどり着いた。

いやぁー、自分でも今の今まで忘れてたよ。水泳で県大会まで行ったの。


俺はこの時は地獄から解放されたと思っていた。普通は政治将校なんて知らないもんね。



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