検証その2:お兄ちゃんにぱんつを与えてみたっ
お父さんのお宝を堪能、もとい研究する日々を送ること数日。
ふと思った。
私だって、こうなんだ。なんだかんだ言ってお兄ちゃんも私と同じ血を引いているのに、この手の欲望が全くないなんて絶対矛盾してるよねっ!?
よし、今度こそ実証しなくてはっ。
かくして今度はお兄ちゃんの部屋の前に、私の、ぱぱぱぱぱぱんつ(興奮している)を置いてみる事にしたっ!
よくよく考えれば前回のエロ本は、あまりに不自然だった。
家の中にエロ本が落ちている状況って、まず有り得ないよね。だからお父さんの穢れた秘密の漏洩と、お兄ちゃんが勘違いしたのも仕方がない。
でも、私の下着ならどうだろう?
私は最近、自分の服は自分で洗うようにしているんだ。ほら、お兄ちゃんならともかく、エロくて臭いお父さんの服と一緒に洗われるのは勘弁だし、他にも色々と都合がいいしね。
んでもって、私んちの洗濯機は乾燥機付き! 昔からちょくちょく下着泥棒の被害に遭ってたから、中学に入る時にお願いして買い換えてもらった。
だから洗濯し終えた私のぱぱぱぱぱんつ(まだ興奮している)を、偶然、お兄ちゃんの部屋の前に落としてしまったというシチュエーションも自然なものとなるよね?
てことで私は今、自分のぱぱぱんつ(ちょっと落ち着いてきた)をお兄ちゃんの部屋の前に置いて、今回は例の覗き穴から観察してます。
まもなく深夜一時、そろそろお兄ちゃんも眠る頃合。寝る前に必ずトイレに行くはずだからそろそろ……って、お兄ちゃん、勉強していた机を後にして部屋の外へ!
さぁ、お兄ちゃん、妹の縞ぱん(客観視で興奮制御)を今すぐ部屋にお持ち帰りして、くんかくんかしたり、愚息に擦り付けるなりして、堪能するがいいぉぉぉぉぉ!!
コンコン
と、覗き穴の前で興奮したお兄ちゃんが戻ってくるのをまだかまだかと待ち構えている私の耳に、扉をノックする音が飛び込んできた。
「由佳(ゆか)、もう寝ちゃったかい?」
続いて寝ているかも知れない私を起こさないよう、極力小さな声で呼びかけるお兄ちゃん。
「……」
私は自分の口を押さえて、沈黙を守る。
大丈夫。ここまでは予想範囲内。
寝たフリをしてやりすごせば、今夜一晩、私のぱんつ(極力冷静に)はお兄ちゃんのもの。どう扱ってくれても構わないんだよ、お兄ちゃん?
「うーん、寝ちゃったか。仕方ないなぁ」
そう、仕方ないの!
もてあます性欲の前に、さすがのお兄ちゃんでも妹のぱんつでナニしても仕方ないって私、分かってる! 分かってあげるよぅ。
だからお兄ちゃん、ここは思う存分……
がさごそ
扉の下からなにやら音がしたかと思うと、もそもそと外から何かが押し込まれてきた。
次いで扉の向こうでお兄ちゃんの気配が消えると、階段を降りていく音が聞こえてくる。
私は嘆息して、扉の下に押し込まれたものを見つめた。
言うまでもなく、私の白と水色の縞々おぱんつ(絶望)。半分くらい押しこまれ、前面の上部には翼を象ったリボンが見えている。うう、ネットで「男の人は縞ぱんが好き」って情報をゲットした時はこれで勝つると思ったのに……さすがは今年度のノーベルお兄ちゃん賞の大本命と噂されるマイブラザーだ。
てか、そんなお兄ちゃんを試そうというか、堕落させようとした私としては、この結果に残念、というよりも、さすがに罪悪感ががががががががが……が!?
するするするー
すると、なんということでしょう!?
罪の意識に苛まれる私の前で、縞ぱんが再び扉の向こうへと引き摺られて消えていってしまったじゃないですか!?
うん、一瞬何が起こったのかよく分からなかったヨ。お兄ちゃんが戻ってきたのかなと思ったけど、ううん、それはない。だって、うちの階段は建てつけが悪いのか、誰かが使うと必ずぎしぎし音がするんだ。そんな音は聞いてない。だからお兄ちゃんはまだ下のトイレから戻ってきてはいない。
だったらこれは一体?
私はそっと部屋の扉を開ける。
「!?」
なんてことだ、私のぱんつがない。
おまけに誰もいない。
「!」
でも、お兄ちゃんの部屋とは反対の部屋、つまりはお父さんの書斎の扉がかすかに開いていて、中からの光が漏れ出していた。
私は音を立てないよう廊下に出て、そっと書斎の中を覗き見る。
お父さんが、いた。
私のパンツ(怒り)を持って。
「我は美の創造主にして探求者。我の願いに、開け神の門! 神の国よ、いざ参られい!」
お父さんがぶつぶつ言っている。
まったくもって中ニ病な前口上だった。
それでいて隠されたスイッチを押す時に「ぽちっとな」などと言っているのは、何か間違っているように思う。
まぁ、それはともかく、ゆっくりと天井の一部が降りてきた。
例の隠し財宝といい、トンデモギミックが満載だなっ、この部屋!
だけどせっかく隠すのならお金とか、土地の権利書とかにしてほしい。
だって、この展開だもん、隠されているのは、きっと……
「ふふふ、神の国に新たな天使が舞い降りた」
お父さんが恍惚とした口調で呟く。
「その名も縞ぱん! いや、まてよ、ここは由佳の成長を祝って」
ええ、ここまで大仕掛けなものを作っていて、隠しているのが私の歴代パンツ(盗まれたと思っていたヤツで、まさに怒髪天を突く状態)ってサイテーすぎるよっ、お父さんっ!
「天使・アルミサエルの名を、この縞ぱんに授け」
「やめんか!」
たまらず私は書斎に乗り込み、興奮のあまり私の縞パンに子宮の天使の名前をつけようとするお父さんの首筋めがけて鋭い手刀を叩き込む。
ふ、一撃で意識を断ち切ってやったわ。
今は静かに眠れ、父よ。なんせ次に目覚めた時には天の国は崩壊し、生き地獄を見るだろうから。
具体的には最大級の謝罪と賠償を要求してやるぞ、ゴラァ。
ぎしぎし。
って、気絶したお父さんの体を床に打ち捨て、とりあえず縞ぱんと懐かしい下着の数々を回収していたら、誰かが階段を登ってくる音が聞こえてきた。
言うまでもなくお兄ちゃんだ。
私は慌てて書斎の明かりを消すと、わずかに開いた扉から様子を伺う。
お兄ちゃんは別段こちらに気付く様子もなく、自分の部屋へと素直に戻っていった。
とりあえずほっと一息。
しばらく様子を伺った後、問題ないだろうと判断して私も自分の部屋へ。
あー、今回はお兄ちゃんには悪いことをしたし、お父さんからは悪いことをされていたしで、なんだかモヤモヤするなぁ。
こういう時はお兄ちゃんに相談するのが一番なんだけど、さすがにそうもいかない。仕方がないから、せめてお兄ちゃんの姿を見て元気を出そうと穴を覗きこむ。
お兄ちゃんは何故かヨガでいうところの水魚のポーズで精神集中をしていた。
うーん、就寝前に精神を落ち着かせているのかな?
私もあとでやってみよう。
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