第180回『白白白』→落選

 二人のオヤジが居酒屋の暖簾をくぐる。

「おーい、白モツと白滝の白味噌和えをお願い」

「こっちは、白ネギと白菜の白ワイン煮込みね」

「あと、白鶴と白鹿と白牡丹」

「こっちは、白岳と白波と白霧島で」

 酔っ払った二人の話題は、いつの間にか歴史ドラマに。

「白虎隊が白昼、白兵戦を挑むのすごかったな」

「白装束の関白が白馬に乗って来るのも予想外だった」

「潔白なのに、お白洲で自白させられちゃって」

「空白の一日だな。白羽の矢を立てる順番が明白に間違っていた」

「あのドラマ面白くて、いつの間にか東の空が白んで顔面蒼白になるんだ」

「白熱しすぎだろ。白血病か白髪になるぞ」

「もう遅いよ。告白するけど俺白内障なんだ。瞳が白濁してるだろ」

「そんなことないぞ? すでに酔っ払いだな。頼むから白面だなんて、白白しいこと言うなよ」

「おーい白湯をくれ。白旗だ。科白のネタが尽きた」

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