第4話「なんでうちに美少女がいる!?」
ドアを開けると赤毛の美少女がたっている。
どこかで見たような感じもしなくもない。犁兎か?いや違うこんなに可愛くないだろ。いや犁兎は可愛いけどこんなには…。
いやいやその前になぜに美少女が俺の家にいる。
「お帰りなさい絢介君」
ニヒッと微笑んだ美少女は俺にそういった。
俺は幻覚を見ているんじゃないか。
またドアを開ければいなくなっているのではないかと思い、俺はドアを閉めた。
そしてまたドアを開けた。
するとやはり表情が一切変わっていない美少女が立っている。
俺はこの時やっと気付いた。
そう。
赤髪の美少女の正体は榑亜であった。
「ん?どうして榑亜が?」
「私は榑亜なのですか?」
「お前は榑亜だ!! てかそんなボケいいから俺の家の鍵どこで見つけた!!」
榑亜は制服の胸ポケットを指差しながらこちらに近づいてきた。
「鍵はここにあります。とってください」
なんなんだよ。
いったいどうなってる。
鍵を取ろうとしたら体型に合わない大きな胸に触れてしまうではないか。
「お前、警察呼ぶぞ」
榑亜は寂しそうな顔をしながら、俺から離れた。
「鍵なんてありませんよ。元から開いてました。」
なんでドアが開いてるんだ。
そういや鍵をかけ忘れていたっけか。
そのまえに本来聞くべきことを聞いてみよう。
「榑亜なんでいるんだ?」
「そりゃあもう絢介君と・・・。あんなことやこんなことをするためです」
俺はこんな事言われたら嬉しい。とか思ってたことを、美少女に言われるの嬉しいんだが、何故か喜べない。
心の中で美樹のことが引っかかっているんだろうな。
「親はいないし、まだ妹もいないから入ってもいいけど散らかさないようにな」
何でこんなことを言ったかって?
変なこと言われたのをスルーするために決まってるだろ。
頬を赤くし、もぞもぞとしだす榑亜。
「あ…私まだシャワー浴びてなくて。絢介君はいいの?」
「お前は自分の家に帰れ」
なぜ始めて女子が家に来ているのに俺はこんなに、ドキドキもしないんだ。
こいつは女子じゃないのか?
だからって胸を見るな変態。
「すみません。なら今度はちゃんと洗いますので?」
はあ榑亜ってなんでこんなに能天気なんだ。
「わかったよ。まあとりあえず部屋行こう。こんなとこで話しても落ち着かないしな」
「はい」
俺たちは階段を上がり、自分の部屋へ向かった。
俺の部屋に入ると、榑亜はタンスからベッドの下まで物色していた。
「榑亜?お前親は?」
「いません・・・。」
暗い顔をして言った。
やばい・・・。
聞いてはいけないことを聞いてしまった。
「ごめん榑亜」
「いるに決まってるじゃん」
榑亜は親指を立てて言った。
「なんだよお前!俺の純情を返せ」
「あの…私とどこかで昔お会いしませんでしたっけ?」
「ん?いつ?でもどこかで見た気がしなくもない」
「私夢で絢介君とお会いしていんたんです。」
「そんなわけないだろ!今日あったばっかだし。」
「現実で会えたのは春休み中が最初です。あの時私、絢介君見たときに一目で分かったんです。
夢で会えた運命の人って。でも絢介君はいつも夢で私が話しかけても無視をするんです。
今日は席が隣で話せて嬉しかったのですが、話すだけでは物足りなくなり、家を調べて来てしまいました。」
「俺とお前は運命の恋人同士ってことか」
俺はつい頬が緩んで笑ってしまった。
「なんで笑うんですか?絶対ばかにしてますよね」
「そんな事で絶対にバカにしない」
そう言わないと余計面倒になりそうだからな。
「え…絢介さん」
顔を帆照らして俺を見つめる榑亜
「なんだよ。いきなりさん付けとか、てか今日会った?のか分からないが初対面の人に良くこんなに言えるよ」
「絢介さん私下にキャリーバッグあるのでとってきます。待ってる間に私がいないからって1人プレイはだめですよ?」
「そんなことするか!早く取ってこい!」
「はい!」
「って何故にキャリーバッ…ってあいついないし!」
数分後。
「ただいまです」
「おかえ…りって!おい!なんだよその格好!」
その格好とは、フリフリとしたエプロンに、純白で包まれたかのようなメイド服であった。
もしラブコメの神様がいるならこの榑亜の姿はまじで神なんで感謝。
「絢介さんの家で制服はダメかなと思い、室内着にしちゃいました!てへっ」
右手を頭に置いて可愛らしいポーズをとる榑亜に少しみとれた。
「てへっ‥‥じゃねえよ!健全な男子が見たらその格好はアウトだアウト!」
美少女のそういう姿に心から動揺を隠せなくなってきたな。
お前らだってそうなるぜ。
黒いソックスが足の輪郭を綺麗に整え、スカートはパンツが見えそうで見えない極上の長さ。
たまらなすぎる。
「早く私を犯してください!!」
神様、ここで俺が行動に出ても地獄行きにならないならいますぐ押し倒したいんですが。
いや本能に負けるな。
でもこのままだと、榑亜のペースになりそうだし俺から仕掛けてみるとしよう。
榑亜の腕を掴み優しく押し倒す。
顔と顔との距離が近いためその真紅な瞳に心を奪われそうになる。
「可愛いな榑亜」
俺は榑亜の顔を真剣に見つめながらそういった。
「優しくしてくださいね・・・」
顔を真っ赤にしながら戸惑う榑亜。
「なんてな!」
俺はこの時榑亜との勝負で勝ったという感覚に包まれた。
俺は本能が暴れる前に離れた。
もしこのままだったらいろいろとまずかった。
「うっ…私を騙したんですね。でも絢介さん今物凄くカッコよかったので許します」
ニコニコと笑いながら俺を見る榑亜は天使そのものだった。
「あ!でさなんでキャリーバッグ持ってきたんだ!?」
「それはですね…」
いきなり真剣な顔になる榑亜から一秒たりとも目を話離すことができなかった。
ごくんっ。
俺は固唾をのみながら返事をした。
「お、おう!」
「今日から私は絢介さんのお家に過ごしてそのまま結婚へレッツゴーのためです?」
・・・。
どういう意味なんだ。
俺がこの美少女と結婚?
なんで会ったばかりの人にそんなことを言える。
「なにそれ…結婚決定?てかまだ付き合ってもねえぞ!」
「なら今からでも付き合いますか?」
「遠慮しておく」
「そうですね。まだ早すぎですからもう少し時間をおきましょう!」
どうやら榑亜は俺と結婚をする気満々らしい。
「お前が俺の家に過ごす?一緒に暮らすってことか?」
「はい?そうです!絢介さん親は今いないんですし!」
榑亜ってストーカーなの?
何でそんなに詳しいんだよ。
「なんでその事を知っている?」
「まあなんでも大丈夫ですよ!」
こんな美少女と屋根の下で2人で過ごす?そんなことあり得るのか?
獣になっちゃうZE
って何言ってんだよ。落ち着け俺!
「俺の家に居るのは構わないんだが、部屋が無いんだ。妹の部屋でもいいか?」
「何を言ってるんです?私は絢介さんの部屋で寝ます」
「わかった!変なことはするなよ?」
ってなんで俺は許可を出してるんだ?
りとに怒られるだろ。
まあ何にしてもこんな楽しい会話は久しぶりだったな。
美少女なら家のお泊りぐらい大丈夫だよな?
親もいないんだし変なことさえしなけりゃそれでおっけーだな。
俺は部屋まで案内し、榑亜をベッドに座らせた。
榑亜はベッドの下を覗いた。
「男の方ってここにえっちい本があるんですよね」
なんだと?
体をかがめながらそのダンボールを取った。
中身は俺が捨てに行こうと思っていたエロ本。見られた人生喪失。
俺は榑亜が開けようとした瞬間に榑亜を抑えた。
俺はこの時大きな失態をおかしていた。
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