第2話「学園ラブコメは突然に!?」

チリリーンチリリーンチリリーン

俺は目覚まし時計を止めて時計を確認する。

「ふあーあ」

時間は6時30分、今日は入学式だから8時30分には登校だ。

時間に余裕があった俺は、階段を降りて1階の洗面所に向かった。

顔を洗い、眉毛と髭を整え、今日入ってくる後輩に馬鹿にされないようにした。

鏡に写る自分の顔が目に写った。

そのとき俺は、イケメンで生まれれば今頃は楽しい生活しているんだろうなと思った。

まあ誰もが思うよな。

「おにいちゃんおにいちゃん!ご飯作ったから食べよー!」

2階から犁兎の声が聞こえてきた。

俺が2階にいると思っているんじゃないかと笑えてきた。

すぐに顔を洗い俺は妹のいる場所に向かった。

俺の部屋を何度もノックしている犁兎の背後に忍び寄り大声で名前を呼んで脅した。

「犁兎!」

「変態がっ!」

俺の腹部に強烈な痛みが走る。

見えない速さでエルボーを入れられたのだと気づいた。

痛すぎるよ。

「ごめん。お兄ちゃんだと思わなくて」

いやいや、今この家にいるのは俺と犁兎だけだろ。

朝からこの痛みはえぐすぎる。

まあクヨクヨしてる俺に一喝いれてくれたんだろ。

「この家には、俺と犁兎以外いないだろうが!まあ今ので何か元気でた。」

「私がエルボーしたのは謝るけど、妹に殴られて喜ぶお兄ちゃんもどうかと思うけど?」

このままだと変態だと思われるから話を変えるか。

「もう、飯できた?」

「あ、ご飯が冷めちゃうから。下おりてるね。」

俺は、着慣れた制服を着て鞄を持ち階段を下りた。

リビングに向かうと、裸エプロンをしている犁兎がいた。

って俺は何を考えてるんだか。

制服の上にエプロンを来た犁兎が皿にカレーをよそっているのが見える。

俺はテーブルに座り、料理が運ばれるのを待った。

すぐに料理がテーブルに置かれた。

朝ごはんはカレーライス。

わざわざおにいちゃんのためにあさから作ってくれるなんてうれしいぜ。

「お兄ちゃんお待たせっ!」

「おお!美味そうだな!いただきますっ!」

味はお母さんが作るカレーに似ていてとても美味しかった。

犁兎は俺の食べている姿を見て笑っていた。

なんだ。この笑顔は。

天使かよ。

「このカレー美味いな!」

「でしょでしょ。好きな人のために頑張ったんだあ!」

「だから美味いのか。」

ちょっと待てよ?犁兎に好きな人がいる?

なんでだ?

もう高校生にもなるから仕方がないのか。

「先に学校行ってるね。入学式だから急がないと~。」

俺は、2階にあがり、自分の部屋で最終確認をし、俺も玄関を出た。

すると 彩華さいかが外で待っていた。

「絢、おはよう」

「おはよう!」

「あれ?ネクタイは?」

俺は、制服を確認してみるとネクタイがついていなかった。

うっかり者の竜宮君です。てへっ。

「ごめん、とってくる」

彩華はふふっと笑いながら首を縦に降った。

俺は急いでドアを開けて2階へむかった。

彩華とは俺が小学校からずっと遊んできた幼馴染みで、クラスは隣の3組。

中学に入ってからは俺から遠ざけていたというか、彼女にバレたらまずいと思ってあまり遊んでいなかった。

彩華は昔から優しかったため俺に何かがあったと心配をしていたが、俺は常に大丈夫といっていた。

今日は俺の親がいなく心配のためわざわざ一緒に行こうと言ってくれた。

そんなやさしい人が俺の幼馴染だ。

ネクタイを付け直して玄関から飛び出す。

「もう、絢ったら昔から変わらないなぁ。」

「わりいわりい、さていこうか。」

「あ!今日から犁兎ちゃん高校生だね!犁兔ちゃんは?」

「犁兔は張りきって先に行ったよ!彩華と会いたいとか言ってたな。」

そうだよな。

彩華は犁兔と全然あってないんだもんな。

「私も会いたいな」

「今日入学式だから会えるよ」

「そーだね。クラス替え同じになるといいね」

そうだった。今日はクラス替えがあったんだ。

前みたいに普通に彩華と話しながら近所の交差点を曲がろうとすると、誰かとぶつかった。

少女は地面に倒れたがすぐに地面に手をついて立ち上がった。

お互いの視線が交じり合う。

真紅しんくの瞳に吸い込まれるような感覚。

えっ?この人って前に会ったあの赤髪の可愛い子かな?

俺が誤ろうとすると美少女は上目遣いで言った。

「すいません」

何だこの可愛さ。

近くで見ると本当にかわいいな。

「こちらこそ!」

少女は頭を下げて、歩き出した。

俺が少女の歩く姿に見とれていると彩華が話しかけてきた。

「絢、大丈夫?あの子可愛いかったね?惚れちゃった?」

惚れる?

そんなわけないだろ。

かわいいからって何だ。

恋愛はもうしないんだ。

「違うって。なにをいう!俺は、ただ…」

「ただ?」

彩華は首をかしげながら俺を見つめる。

「たださんがいい!」

意味のわからないことを言ってしまった。

誰だよたださんって。

「たださん?」

「おう!たださんは、俺の友達の彼女がまじで可愛い。というアニメのヒロインでめちゃくちゃ可愛いんだ。」

俺は今までに無い最高の言い訳をしたが、もちろん幼馴染にはそんなうそはお見通しだった。

「バレバレだよ?そんなアニメもないし。昔から変わらないなぁ。」

確かに俺は、あの子に見惚みとれていたのかも知れない。

心の中であの子と同じクラスになりたいだの確かに考えたが俺ははっきり言って

前の失恋の時で恋愛はしたくないと決めていた。

そんな事考えてる間に学校に着いた。

校門を抜けて玄関に入ろうとすると、玄関前には人が群がっていた。

「なんだ?なんかあったのか?」

「今日は入学式でクラス替えでしょ?」

「あ!そうだった!早く玄関で靴はいて見に行こうぜ。」

「同じクラスだといいね」

俺たちは、玄関で靴を履き替えてクラス替えの名前が書いてある紙を見に行った。

最初は1組から。

俺の名前も彩華の名前もない。

2組。

4番竜宮絢介たつみやしゅんすけ。5番綱我魔琴つながまこと。6番....。23番天原彩華あまはらさいか24番...。

となっている。

「よかった!同じクラスだ!頑張ろうぜ!」

彩華を見ると、かなり喜んでいる様子であった。

「うん、頑張ろっ!」

「絢介!」

俺を呼ぶ声が後ろから聞こえた。

後ろを振り返ると、そこには魔琴がいた。

「良かったな!彩華ちゃんもいて俺もいて!」

魔琴はハイタッチを求めてきたため、俺たちは笑いながらハイタッチをした。

「本当に嬉しいよ!」

魔琴は本当にいい友達なんだ。

昔からいろいろな相談に乗ってくれたりとりあえず俺にとっては大切であるな。

「転校生も同じだってな?たしか32番の子で滅茶苦茶、可愛いらしいぞ?名前が、しんのはくれあ だっけなあ?」

ん?転校生、もしかして、学校に来たとき玄関にいた。

あと俺が今日ぶつかって見惚れていた子?

こんなに運命みたいな事があっていいのか?

でも話したこともないし・・・って俺は何を考えてる!

「ああ、そうなんだ。まあ同じクラスどうし頑張ろ」

「どうした?元気いきなりなくなったな!さき上に行ってるわ」

「おう」

俺はもう一度紙を見た。

32番神乃葉榑亜しんのはくれあと書いてある。

俺は嬉しいのか嬉しくないのかの状況にいた。

「絢介もう少しでチャイムなるから上がろ?」

「そーだな!上がろうか」

階段を登りすぐに教室の前まで来た。

教室に入ってあたりを見回しても彼女はいない。

黒板に張られた座席表を見ると窓際から2番目の席の後ろの方であった。

彩華はそのだいたい反対側で廊下側から1番目の後ろの方であった。

俺はすぐに座席に座り、もう一度あたりを見回した。確かに彼女はいなかった。

あともうひとつ、俺の隣の窓側の席の女子だけ誰も座っていなかった。

そんな事考えてる間に先生が来た。

「今日は、転校生が来ている。自己紹介があるから座って静かに聞くんだ。」

ドアがガラガラっと開き朝ぶつかった少女が入ってきた。

すぐに黒板に名前を書いた。

神乃葉榑亜しんのはくれあ

大きくて達筆な字で書きながら、はきはきとした声で話す。

「今日からこの高校にお世話になります!神乃葉榑亜です。前の学校ではくーちゃんと呼ばれていました。みなさんよろしくお願いします!」

周りの声が俺の耳に入ってきた。

「可愛くない?あの子」

「俺あの子狙っちゃおうかな?」

「どーせ面食いでしょ」

だの色々な言葉が聞こえてきた。

まぁアニメとかでよくある隣の席に座るヤツは、ないよな・・・。

「榑亜!あそこの席に座りなさい。みんな仲良くするように頼むぞ!」

・・・アニメでよくあるヤツきた!

あそこの席というのは、俺の席の隣の席であった。

榑亜は、黒板前からすぐに席に着いた。

俺の前を通るときに目が合った。

何も考えるな。

無心だ。

「私、神乃葉榑亜といいます。あなたは?」

俺にそういった後榑亜は握手を求めてきた。

「お、俺は、竜宮絢介!よろしく!」

いきなりの言葉にびっくりして少し声が裏返りながらも握手をした。

「竜宮君ですね。なんか名前だけカッコいいです」

彼女は目を細め満面の笑みでこちらを見る。

「ああ。よく言われるさ。」

俺は名前だけと言われた時とてもガッカリした。

まだ話して三秒の人にこんなにもツンツンとしてくるのか。

俺は清楚か妹系が好きだから仕方ないか。

「嘘だよ?顔も、かっこいい。」

「え?ん?なに?」

「やっぱなんでもなーいです」

「先生の話聞くぞ」

初対面の人に何を言っているんだこいつは!少し照れたじゃねえかよ。

てか少しどころじゃなくてかなりだ!

よくわからないが、俺の事を好きなのか?

ってか可愛い・・・。

いや?そんな事は無い!まったく魅力が無いじゃないか。

俺がかっこいい?ははっ!鼻で笑うしかないな!

「今から入学式だ。身支度を確認したら、廊下に出て体育館に向かうぞ」

先生はそう言って、教室を出た。

そして俺たちも先生に続いて二列応対で進みだした。

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