第7話 年賀状

 「年賀状ってどうして書くの」


 剛は父親に届いた何百枚もの年賀はがきの束を見ていた。


 「それは今年もよろしく、っていう意味をこめた挨拶だよ」


 「でもパパの年賀状見ると、印刷してあるだけで何にも書いてないのもいっぱいあるよ」


 「それはたくさん書くからね、中にはそういうのもある、でも大切な人には一言でもメッセージを書くものなんだぞ」


 「じゃあ、大切じゃない人には」


 「大切じゃないひとには、まず出さないな」


 「でも印刷だけの人もいるじゃない」


 「それはいろいろな意味がある。付き合いの関係が親しくない人も、それから親しすぎて書くことがない人も・・・」


 「それから・・・」


 「書きたくてもいろいろな理由があってかけない人も」


 「理由って」


 「それはお前が大人になれば分かるさ」


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