エピローグ

「そんで? うんうん、何? 『クラッシュ』? あぁ、あれってかなり前の話でしょ? 何だっけ、あの……オルタナの呪いの死、みたいなやつだっけ? あれやばいよね、確か何人か死んだんだよねー。今時あんなの起きたらやばくない?? だよね〜」


 女はオルタナ上で友人と話していた。突然ピコーン、とベルが鳴った。


「あ、ママが呼んでるから。じゃね〜」


 友人とコンタクトを切り、ログアウトのためのボタンをコマンダーで操作しようとした。


「あれ? ちょっと何これ」


 コマンダーはつるつるしていた。あらゆる側面をみながらボタンを探すが、どこにもない。あるのは1つのおかしなボタンだけだった。


「ちょっとおかしいんだけど、これ……」


 突然誰かに背中を叩かれた。


「え? ってゆうかあんた誰?」


 女が振り返るとそこには大きな影があった。

 黒のヴェールに浮かぶ2つの瞳。

 そして女がその自分の喉元にかけられたその「鎌」をみて、耳を塞ぎたくなるほどの金切声をあげるまでに、そこまで時間は要らなかった。


(了)

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