第11話 【PC88】PRODUCEで怪しい館をプロデュース!!
くらいくらい、人の欲望と怖さに焦点を当てたPC88ゲームがあります。
『PRODUCE』
開発はdb-SOFT。ジャンルはたぶん、ホラーです。
とはいえ、このゲームはかなり特殊。イメージとしては、ダメージをあまり出さず、生かさず殺さず最上階へと追い詰めていく「刻命館」に近い印象です。罠の代わりに出すのは、主人公に「力がほしいか……?(意訳)」と問いかけてきた「何か」からレンタルしたグロテスクな化け物たちなのです。
ストーリーの紹介をしますと……超能力研究をしている少年部のクラスメート4名の一人、主人公のトシオ。トシオは他3名に(特にギルに)馬鹿にされており、「くそー悔しいぞ」と思っていた所で見かけた古い屋敷。ここに吸い込まれるようにトシオが入って行って……「何か」に出会います。
「お前はギルが憎いのだろう? もっと正直になればよい」
「他の2人はいつもギルを中心にして行動し、さらにお前の好きなサヤカはギルに夢中ときている…」
「もっと正直になれ。闇の力をお前に授けよう…」
などと言われ、「何か」のダークな力を手にいれたトシオは、探しに来た友達たち三人をギャフンと言わせるべく、館へと手招きすることに───
このゲームの面白い所は、まず、敵を倒す側ではなく配置する側となり、三人の様子を見守る立場になるということです。しかも彼らそれぞれのウィンドウには彼らの心臓も描かれ、もし恐怖を与えすぎると破裂して死んでしまい、即ゲームオーバーになるという……つまり、生かさず殺さず、恐怖を与えることで後退させながら、上への階段に追い詰めていくことが攻略の糸口となります。
これ、最初、よく分かりませんでした。やりたいことはわかるんですが、いやそれでも、敵の配置を予測して置いたり、時間を指定したりなど、当時の私には(いや、今でも)分かるべくもありません。たぶん慣れれば楽しいと思うのですが…
結局、当時はこれでギブアップ。
以降、時は進み、現在になってから、クリア動画が出回ることとなりました。当時気になりながらも手も足も出なかっただけに、興味本位でエンディングまで見てしまったのですが……
最上階に三人が上がると、どうなるのか?
三人の一人、おそらく主人公にとって大切な存在であるサヤカちゃんが、突然全裸で目の前に……今までモニターとして見ていた、赤いグロテスクなものに寄りかかるように気絶しています。
そして、鮮やかな赤が───
少女の肉体から突き出て───
次々と体から突きやぶり、ついにはモニターの中へと取り込まれ───
「……へ?」
サヤカちゃんとなんだかんだで、ハッピーエンディングかな〜と思っていただけに、かなり衝撃の展開。空いた口が塞がりません。
その上で、以下のような赤い文字でのメッセージが……
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わたしは、ゲームのメインテーマを「支配」「恐怖」として
人間のどうすることもできない「もどかしさ」を表現しました
あなたをプロデュースするのは自分
それとも...
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「いや、ワケわかんねぇから!?」
思わず動画に突っ込む私。
この後ENDとなり、何の説明も無いまま終わります。謎すぎる……!!
このゲームのタイトル、『プロデュース』とは何なのか。
30年経った今でも、謎は深まるばかりです……
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