第9話 【PC88】うる星やつらでラムちゃんと巨大迷路に挑め!

 突然ですが、筆者はらんま1/2の時から高橋留美子が大好きです。時代に流されない絵柄は至高に尽きる、と思います。

 というわけで、今回はPC88に戻り、こちらを紹介したいと思います。


『うる星やつら 〜恋のサバイバル・バースディ〜』


 言わずと知れた名作、「うる星やつら」のオリジナルアドベンチャーゲームです。メーカーはマイクロキャビン。


 こういったもののキャラゲーは今も昔も変わらず、クソゲーの烙印を押されることが往々にしてありましたが、こちらはオリジナルストーリーにも関わらず、原作設定をちゃんと踏まえたかなり面白い作りとなっていました。


 ストーリーの舞台は面倒家。ここで、了子ちゃんのバースデーパーティーの余興として、大迷路を制作(さすが大金持ち設定)。「見事一位でゴールした者には了子ちゃんとステディな関係に、女性の場合は終太郎から熱いキッスが贈られる!!」という、主人公にして稀代の女好き、諸星あたるとしては是非とも挑まねばならんイベントなわけです。


 というわけで、コマンドを駆使しながら大迷路に挑むことになるのですが、基本的に主人公の諸星あたるの行動に沿うことになるので、女の子を見れば口説きにかかるわ、隣のラムに睨まれるわ、諸星あたる気分をかなり満喫できます。ついでに電撃も受けたりできるというのは嬉しい……!!(本人にはたまったもんじゃないでしょうが)


 その上、アドベンチャーゲームとしての作りもなかなかしっかりしていて、まず、マッピングをきちんとしないと迷います。


「うーんと……今どこだっけ。ラムちゃんに聞こう」(ぽち)

『今の地点はゴールから北に4、東に3ブロックだっちゃ!』


 こんな感じで、ラムちゃんに上空に飛んでもらって位置を確認してもらい、ゴールから方眼紙などでマス目を作り、一つ一つ丁寧にマッピングしていきます。

 これはかなり大切な作業。このゲームには即死地帯もあり、いわゆる地雷原に足を踏み込めば、


 ちゅどーん☆


 という、お決まりの「あの」SE音とともに吹っ飛び、全身包帯まみれとなり担架で運ばれてゲームオーバーとなります。完全に初見殺しです。しかし、見切って仕舞えば、そしてマッピングをしっかり作っていれば他愛も無い。ふっ。


 なんとか地雷原をうまく避けて進むわけですが……迷路内には様々なお馴染みのレギュラーキャラクターたちが出てきてくれます。彼らは友好的なこともあれば、先に進むに辺り障害となり、なんとかして突破しなければならなくなったりするのです。


 そのためには、原作をよく知っていないとなかなか難しい。あるキャラクターが好きなもの、求めているものを都合良くゲットして渡したり、時には戦わねばならない時もあります。たとえば、こたつ猫は原作設定では「べらぼうに強くて一発で死ねる」ため戦いを挑んではならないとか、逆に「こいつらは超弱かったはずだから、あたるでもイケるんじゃね?」と戦いをけしかけたり……といった感じです。


 でも、原作を知っている人間からすれば手に取るように推測できるので、とても楽しいのです。このゲームは、本当にファンに向けて作ってくれたんだなあと感じます。すごいぞ、マイクロキャビン!


 しかもこのゲーム、当時にしては珍しく、行動によってはいくつかエンディングが分かれるマルチエンディングでして、ベストエンディングは1つだけ。あとは全部ゲームオーバーでした。


 一番酷いエンディングなのが、こたつ猫エンド。こたつ猫をコタツでぬくぬくさせて道端に留めておかないと……


「よーし、ゴールだー!! ……って、あれ? なんでここにコタツ猫がッ!?」


 なんと、最後のゴール地点で必ずこたつ猫が颯爽と登場し、了子ちゃんのキッスを奪ってしまうのです。これ、こたつ猫と出会うのはかなり序盤なので、とんだ落とし穴というもの。


 他にも、予め何かをしておかないとエンディングに影響してバッドエンドに……というものがちょくちょくあったりします。なかなかどうして、難しい。

 けれど、これが楽しいんですよね。死んでも死んでも、ゲームオーバーになっても、「次はこうしてみよう」「なんでダメだったのかな」と考えてリトライできる。


 ただ、このゲーム、昔のものだけにバグもあり、「このフラグ立ててるのに、なんでこのキャラ来ないの!?」みたいなことにもなりやすいので、なかなか精神的にも忍耐を求められるものでした。


 とはいえ、やっぱり楽しかった記憶です。

 うる星やつらがお好きな方には、強く強くお勧めできるゲームです。3DSとかで復活してほしいなーって思う程度にはお気に入りです!

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