第7話 【ファミコン】ポートピア連続殺人事件で名推理

 今日は、初期ファミコン時代にあった、こちらをチョイスしましょうか。


『ポートピア連続殺人事件』


 当時は分かれていた、スクエア・エニックスのエニックスが出したアドベンチャーゲームでした。主人公は刑事ボスとなり、部下のヤスと共に殺人事件を調べる、というのがおおまかなあらすじ。


 最初、


 ピーポーピーポーピーポーピーポー…


 と唐突にパトカーのサイレンが聞こえ出し、


 ポートピアれんぞくさつじんじけん


 とルパンのタイトル並みにタイプライターの音と伴って一字ずつ表現される演出は、なかなか渋くて良い感じでした。


 しかし人物が、ヤスの顔が。

 なんというか、目が点、口が横線ひとつ…


 PC88のイラストの細い線に心打たれていた私は、「ファミコンはこんなもんなのか〜」と思ったものでした。(しかし私は忘れている、PC88にもかつてMZ-700のような時代があったことを…!! その後、ファミコン後期になるとかなりの進化を遂げることになるのです)


 しかし、面白かったのはやはり、聞き込みしていくと、ひらがなばかりのセリフなのにもかかわらず、結構まともな話が聞けたのが意外だった覚えがあります。例えば、死亡推定時刻とか、別に見つけた死体が実は最初の被害者よりも先に死んでいたとか、新たな事実が次々と! みたいな感じです。


 同時に、これは後で知ったのですが、結構最短でクリアしてしまうと通らない脇道の数々が結構あったりしました。

 例えば、港の所で電話してみたら怪しい男が…とか、おこいさんのお胸をつんつんしようとしたりとか(「たたく」コマンドは自由にどこでも調べて良いのです! 相手を怒らせて帰らせちゃう場合もありますが)、ストリップ劇場に行ってヤスと共に堪能(?)した読者諸兄もきっと多いはず。


 あと、山川の屋敷もなかなか楽しかったですねー! とにかく屋敷の中に入れる興奮、あのテレビでおなじみの死体の周りの白線とか、すごく怖くて、ドキドキしたものです。しかも、このゲーム、BGMが全く無いので余計に変にリアル。緊張しながらソファとか叩いたものでした。


 そして衝撃の地下通路! あれもびっくらこいた……なんで屋敷に地下通路が! しかも降りたら降りたで何が何だかになってしまい、必死にマッピングして歩いたのも良い思い出です。


 確か、容疑者のH田がいきなり首つってしまってる辺りで、フラグ立ちが分からず詰んでしまい、未クリアとなってしまいました。しかし大人になった今、大人力によりニューファミコンをゲットし、なんとかクリアしたのです。


 しかし、あまりにも衝撃の結末。ゆえに有名となったそうですが、当時の私も本当にびっくりしました。

 そこに行き着くまでに、あの有名なフレーズ───


「犯人は◯◯」


 もよく聞いていたのですが、そりゃあ、あの結末ならば広まってしまうのも致し方なしなのか……(30年以上も経っているんだから名前を書いても罪は無いかと思いますが、それも野暮というもの。◯◯を知りたい方は、Google先生に聞きましょう)


 顔も体も点と線のドット絵、背景も荒いドット絵でしたが、ミステリーとしての内容は意外にもきちんとしていたのかもしれません。さすがエニックス、さすが堀井雄二さんと言うべきか。なんにせよ、私のファミコンでのアドベンチャーは、ここからスタートを切ったのでした。

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