第3話 【PC88】プライベート・スクールで女子寮潜入ミッション★

 はい来たよー! エロゲー来たよー!


PRIVATE SCHOOLプライベート・スクール


 メーカーは最近、ぐっすんおよよしたelfエルフです!


 といっても、注意されたい。

 このゲームはエロゲーと銘打っておきながら、エロの度合いからいうとなんと、今で言えばR-15のレベル!! スゴイ!! 下半身のエロエロなんて無かったんや!!!!


 当然、当時それを信じて買った大きなお兄さんたちからは大ブーイングの嵐だったという、曰く付きの一品であります。しかしこのゲーム、私は当時喜び勇んでプレイして、しかもテキストデータをほぼ味わい尽くしてクリアしたという、筋金入りの大好きなゲームでした。


 ちなみに、ジャンルはアドベンチャー。ストーリーは、探偵業の主人公に、依頼人が「自分の彼女が様変わりしてしまったんだ! 原因を調査してくれえ!!」と泣きつく所から始まります。始まるんですが。


 まず、この頃の私のアドベンチャーといえば、ファミコンのポートピア連続殺人事件世代でした。デゼニランド? あれは「選択肢」という画期的なシステムが無かった時代。ポートピアにはあるのです。


 ところが、同じ選択肢のゲームでありながら、この、この、この!!! プライベート・スクールの美麗なグラフィック!!! ドットで描写されていながら、こちらは「人」どころか、「可愛い女の子」だとちゃんと認識できるではありませんか……!! ポートピア連続殺人事件と比べたら雲泥の差。あっちは、女の子いますけど、なんかこう、目が四角ですもん。口も四角だし。


 まるでアニメから飛び出したかのような可愛い女の子たちのグラフッィクである上に、しかも動くんですよこれが。目も口も、背景の小道具に至るまで、ちゃんとちょこちょこ動くんです!! 今で言うならば、GIFアニメのような感じですかね。ほんとに衝撃でした。PC88の凄さに酔いしれるとは、まさにこの事です。


 そして、テキストも面白い。漢字もちゃんと含められたテキストで、主人公の探偵、竜二の思惑が色々見られるのですが、色んな事に突っ込みしまくったりして面白い。思わず読ませる文章です。


 さらにエルフらしく、所々に遊び心があります。例えば、背景の人形が意味なく動き出すとか、それにちゃんと竜二が突っ込み入れるとか。さらには、背景に意味不明なオブジェクトが描かれていた場合、ちゃんと竜二が反応するんですよね。「あれどっから持ってきたんだろう……」なんて。


 後々に女子寮に潜入する事になりますが、お風呂場の中を妄想した瞬間、テキストフィールドが真っ赤になったり、逆に変な妄想して青くなったり。おお、こんな表現もあるんだなーと楽しんだものです。


 エロさという所を考えますと、まず可愛くてエロっちいイラストラインがたまりませんねー! こればかりは絵柄が古いとか言われそうですけど、私は好きです。個人的にイラストのエロさのポイントは乳でも尻でもなく、「口元」や「目元」だと思うんですが、同意してくれる読者諸兄はどれほどいるでしょうか……このゲームのイラストは、いかんなくその辺発揮してくれてますよ。エロいです。


 ただ、直接的な、それこそ乳や尻……のような、もーちょい言っちゃって下半身エロスに関しては、ぶっちゃけお風呂に普通に入ってるシーンまでで、そこまで過激ではありません。トイレのシーンもあるけど、あくまでエロさではなく、ストーリー上必要なものですし。なので、上記に書いた通り本当にR-15までなんですね。そりゃあ、可愛い女の子たちとムフフしたかった男子たちはお怒りだった事でしょう。


 まあでも、特に必要としてない私には名作だなーと思わせるゲームでした。色々真相が明らかになっていく様はお見事ですし、真相は真相でズッコケそうなくだらなさなんですけど、まあよくよく考えたら、このゲームで最後に重いもの見せられるのはバランス的に合わなかったろうし、悪くないのかなと。最後に笑って解決できたら、それでいいんじゃないかなーと思うのです。


 そんなわけで、プライベート・スクールは密かにメーカーからの現在機での再発売を希望していたのですが、それもかなわぬ儚き夢と散りました。ああエルフよ、今はいずこに。またあの、アホらしいアドベンチャーをやりたいものです。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る